IDCのIT市場予測、震災でマイナス成長もスマートフォンは伸長


 IDC Japanは、東日本大震災の影響を踏まえた国内IT市場予測を発表した。

 同調査によれば、ITサービス市場はマイナス1.8%、ハードウェア市場の成長率は、前年比でマイナス5.0%、パッケージソフトウェア市場はマイナス7.9%で、国内IT市場は前年より規模を縮小すると見られている。IDCでは「世界金融危機の影響があった2009年と同規模か、あるいは下回る低水準」としている。

 一方で、スマートフォンについては、前年比31.7%の成長(2010年は前年比13.7%増)が見込まれている。各社のラインナップの充実で、ニーズが急拡大していることが背景にあるという。

 同社では、4月18日、震災の影響を考慮した市場予測を発表したが、今回は、スマートフォン市場の予測をもとに、わずかながら上方修正した。

 今秋以降は、震災の復旧・復興需要が本格化するほか、米国・新興国といった海外市場の需要もあり、景気回復が見込まれている。その結果、2012年はITサービス市場が2.3%、ハードウェア市場が4%、パッケージソフトウェア市場が3.2%と、いずれも増加に転じると見られている。

 



(関口 聖)

2011/5/12 12:18