IDC調査レポート、パソコンユーザーは「iPad」の手軽さを評価


 IDC Japanは、家庭における国内PC市場に関するレポートとして、iPadの利用動向をまとめたレポート「2010年 国内PC市場 家庭ユーザー利用実態調査:iPadの影響と今後のPC形態」を発表した。

 同レポートは、2009年9月~2010年6月にパソコンを購入した一般ユーザー(家庭ユーザー)を対象に、Web上で行われた調査結果を分析したもの。

 iPadの利用目的として、「インターネット利用」「電子書籍の購読」がそれぞれ49%を占めている。IDCでは、スマートフォンと同等の起動速度であることと、調査時点では電子書籍の整備が十分ではないこともあって、インターネット利用を支持する声が高まったと指摘している。iPadがパソコン利用に与える影響については、「2台目のPCのように位置付ける」が全体の1/3を占めており、ネットブック(ミニノートブックPC)の出荷減少を予測している。

 パソコンやiPadを購入したユーザーが「iPadを評価する点」として挙げられたのは、軽量であること、電子書籍の購読のしやすさとなる一方、システムの高速起動を評価する声は約9%に留まった。その背景についてIDCでは「PCに比べるとiPadの起動は速いが、iPhoneなどと比べると標準的な速度」と分析している。

 このほか、パソコンへインストールするOSでは、回答の約7割がWindowsを支持したこと、デスクトップパソコンやポータブルパソコンの利用意向も明らかにされている。

 IDC Japanアナリストの浅野 浩寿氏は、iPadのほうがパソコンよりも高速で起動し、手軽にインターネットを利用できるようにした、として「PCユーザーの裾野をより広げるには、今後このような手軽さが重要になってくる」としている。

 

(関口 聖)

2010/10/14 13:28