ドコモ山田社長「スマートフォン新時代にふさわしい端末」


 NTTドコモは5日、都内で記者向けに発表会を開催し、サムスン電子製のスマートフォン「GALAXY S」「GALAXY Tab」を発表した。「GALAXY S」は10月下旬に、「GALAXY Tab」は11月下旬にそれぞれ発売される予定。

 登壇したNTTドコモ 代表取締役社長の山田隆持氏は、5月の時点で投入を明らかにしていた「GALAXY S」を正式に発表。端末を手にし、「超高精細でビビッドな、大画面のスマートフォン」と、スーパーAMOLEDを搭載した画面の性能をまず紹介した。山田氏はまた、フルハイビジョン動画の再生やハイビジョン動画の撮影、手に馴染むラウンドフォルム、Flash対応、マルチタッチ、spモード、ドコモマーケット、電子書籍のトライアルサービスへの対応といったさまざまな特徴を解説。「全世界での販売台数が500万台を突破している人気モデル。スマートフォン新時代にふさわしいモデルだ」と語り、ハイスペックなグローバルモデルの投入で同社のスマートフォンへの取り組みが新たなフェーズに入ったことを告げた。

NTTドコモの山田社長 

 

 「GALAXY Tab」については、山田氏は「オールラウンドな、ジャストフィットタブレット」という言葉で紹介した。通話にも対応しスマートフォンとしても利用できる一方、手に持つタブレット型端末として最適なサイズになっていることをポイントとしており、「片手で扱え、スーツの内ポケットにも入る」と7インチの画面ながらも小型・軽量に仕上がっている点を紹介。「電子書籍にはとても適している。電子書籍ならではの多彩な情報にアクセスできる」と、電子書籍の利用が注目ポイントであるとした。

 

サムスン電子 無線事業部長 社長の申 宗均氏

 サムスン電子 無線事業部長 社長の申 宗均(JK Shin)氏は、「GALAXY Sは海外市場で大きな反響を呼んでおり、感謝している」と紹介。「GALAXY Tab」についても「“スマートメディアデバイス”でスムーズで自然な使い心地も実現している」とするとともに、「ドコモの洗練されたサービスを提供できるよう、準備をしてきた。ドコモのバックアップにより、日本のユーザーに速やかに提供できる運びとなった」と協調体制をアピール。「両社の間で末永いパートナーシップとなれば」と今後もドコモと協力していく姿勢を明らかにした。

 発表会ではこのほか、サムスン電子の担当者よりスクリーン全面を使用したプレゼンテーションが行われ、具体的な利用シーンとともに「GALAXY S」「GALAXY Tab」の特徴的な部分が紹介された。


 

スマートフォン年度内100万台を確信、おサイフケータイ対応モデルも

 質疑応答の時間では、山田社長がターゲット層などについて聞かれ、「iPhoneが先を走っているが、Androidの可能性は限りなくある。すでに我々にはXperiaもあるが、Xperiaは新感覚のエンターテイメントマシン。GALAXY Sは少し違うところがあり、使いやすさと高性能、画面の綺麗さで好評になるのではないか」と説明。「いろんなユーザーにフィットするスマートフォンを出していきたい。スマートフォンとしてあと5機種、別途紹介させていただく。iPhoneと十分に競合できると確信している」とラインナップの充実に自信を見せた。

 同社のスマートフォンの取り組みでは、2010年度内に100万台という目標が掲げられているが、山田氏は「Xperiaは50万台近く売れている。思っていた以上に手にしてもらえている。100万台はなんとしても達成したい。十分に達成できるのではないか」と語り、年度末にかけてさらにスマートフォンの販売を伸ばしていく姿勢を示した。

 また、「冬モデルのスマートフォンは、数機種がおサイフケータイ、ワンセグに対応するモデル。ぜひご期待いただきたい」とし、グローバルモデルのスマートフォンだけでなく、フィーチャーフォンの機能を実現するスマートフォンも用意していることを明らかにした。

 サムスン電子 戦略マーケティングチーム長 専務の李燉珠(DJ Lee)氏は、日本市場での展開を問われ、「GALAXY Sはすでにグローバルマーケットで受け入れられている。最新のモデルで、ディスプレイが非常に優れている。日本市場にとっても非常にレベルの高い、ニーズに合った製品だ」と自信を見せた。また申氏は、「日本市場での競合に対し、NTTドコモのサービスを提供できる機種というのが最大の差別化になる。また、Androidであることで、本当の意味でオープンで、あらゆる開発者に参加してもらえる」と語り、暗にiPhoneと比較した優位点をアピールした。

 



(太田 亮三)

2010/10/5 14:13