富士通、明るさなどを改善したカラー電子ペーパーを開発


 富士通研究所は、従来よりも性能を向上させたカラー電子ペーパーを開発した。明るさやコントラスト比などを改善しており、今秋にも製品化される予定。

 今回開発されたカラー電子ペーパーは、従来よりも見やすくなるよう性能を向上させたもの。電力を消費せずに表示内容を維持できるコレステリック液晶パネルを用いている。カラー表示は、一般的な液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルターではなく、コレステリック液晶が特定波長の光を色の層ごとに反射する特性を利用して実現している。今回は、光をより反射する新たな液晶材料を開発したほか、開口率(有効反射領域)を拡大させて、同社従来比1.3倍と明るさが向上した。

 また、黒を表示する際、余分な反射を抑えるパネル構造を採用したことで、コントラスト比は7:1となり、従来の3倍となった。このほか、表示内容の書き換えを従来の2倍に高速化。1024×768ドット(XGA)での表示を0.7秒で切り替えられる。これらの性能向上により、富士通では従来よりも見やすくスムーズな画面切り替えを実現できるとしている。

 今年10月にも富士通フロンテックの製品としてリリースされる予定で、モバイル機器などへの応用が想定されている。また5月13日~14日に東京国際フォーラムで開催される「富士通フォーラム2010」に参考出展される。

 



(関口 聖)

2010/5/7 17:27