矢野研、2008年携帯電話世界市場の出荷は11億8289万台


 矢野経済研究所は、携帯電話の世界市場について、2008年の出荷数を調査し結果を明らかにした。2009年の出荷数や業界動向についても予測されている。

 調査によれば、2008年の世界の携帯電話出荷数は、前年比7.5%増の11億8289万台となった。2008年9月以降の景気悪化を受けて第4四半期の出荷が落ち込んだものの、第3四半期までの出荷は過去最高を記録した。

 2009年の世界の携帯電話出荷数は、前年比7.5%減の10億9424万台と予測する。2008年末から続く景気悪化の影響を受けて低迷するものの、メーカーの減産や在庫調整で第2四半期以降は回復に向かうとしている。

 今後の展望については、アジア、中南米、中近東、アフリカなどで成長余地が大きく、途上国でも3Gの普及の兆しが見え始めている。世界中で携帯電話の普及が進み、途上国では重要な生活インフラとして機能し始めている。一方で、景気の改善が不透明な点や、買い替えサイクルの長期化、先進国での市場の飽和、上位メーカー・キャリアによる寡占化で競争が限定的になっている点がマイナス要因に挙げられている。

 



(太田 亮三)

2009/7/16 13:35