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「Google I/O」開催、Androidの新機能、新サービスも発表
(2013/5/16 12:52)
米グーグルは、15日~17日(現地時間)、米サンフランシスコで開発者向けイベントの「Google I/O」を開催している。15日に行われた基調講演では、AndroidやChromeに追加される新機能などが発表された。ここでは、モバイルに関連した情報を中心に取り上げていきたい。
GALAXY S4が“NEXUS扱い”に
昨年のGoogle I/Oでは7インチタブレットの「Nexus 7」など独自デバイスも発表されたが、今年は一転して、サービスや開発者向けのツールが基調講演の中心を占めていた。端末関連では、サムスン電子の「GALAXY S4」をNexusシリーズと同じ“素のAndroid”を搭載した状態で、グーグルが発売するというアナウンスがあった。開発者向けにブートローダーのロックも外された状態になっており、LTEにも対応。米国では、AT&TとT-Mobileで利用できるという。価格は649ドル(約6万6000円)、6月26日より販売を開始する。グーグルのバイスプレジデント、Hugo Barra氏によると、「OSのアップデートも迅速に提供される」という。ハードウェアこそ「GALAXY S4」だが、位置づけとしてはNexusシリーズに近い扱いになる。
Google Play Serviceとは
Androidなど、OSのメジャーアップデートもなかった。その代わりに、「OSのバージョンとは切り離され、アップデートされる」(Barra氏)というのが、「Google Play Services」だ。位置情報関連の機能として、Wi-Fi、GPS、基地局の情報を組み合わせ、少ない電池消費で位置を特定する「Fused Locaton Provider」などが発表された。Androidでプッシュ通信を実現する「Google Cloud Messaging」とも、機能が強化される。これはAPIとして提供され、開発者はアプリに各機能を組み込むことができる。
ゲームに関しては、「Google Play game services」を発表。クラウド上にデータをセーブしたり、他のプレイヤーの成績を表示したりできるといった、プラットフォームとしての機能が提供される。iOSの「Game Center」や、各種ソーシャルゲームのプラットフォームに近い役割を果たすサービスと言えるだろう。ユーザー同士をマッチングする、マルチプレイの機能も用意される。開発者向けには、Google Playの機能も強化した。タブレットに最適化したアプリだけを表示できるようになったほか、アプリのベータテストや翻訳のサービスも提供を開始する。
定額制の音楽サービス、Google+の刷新
これらは主に開発者向けのアップデートだが、Google I/Oでは、一般ユーザーに対しての新サービスも発表された。そのひとつが定額制の音楽サービス「Google Play Music All Access」。米国などではGoogle Playで音楽を購入できる(日本は非対応)が、これらが月額9.99ドル(約1000円)で聞き放題になる。米国では本日からサービスが始まっており、30日の無料トライアルも実施中。まず13カ国で提供され、「そのほかの国でもすぐに始まる」(Android エンジニアリングディレクター Chris Yerga氏)という。よく聞く楽曲の傾向などによってパーソナリゼーションを行っており、オススメを紹介する機能も用意する。
「Google+」の刷新も、ユーザーにとって影響のある発表と言えるだろう。ユーザーの投稿などを表示する「ストリーム」に、マルチカラムデザインを採用。投稿に大小がつけられ、写真を大きく見せるなど、メリハリのあるレイアウトになる。メッセージや音声を統合した「ハングアウト」もリリースされ、Androidだけでなく、iOSにも対応する。また、写真に関する機能が大きく強化された。フルサイズの画像を保存できるストレージが15GBになり、写真の自動補正機能も加わる。
Google I/Oでは、マップのUI、機能が一新されることも発表された。スマートフォン向け、タブレット向けは夏にリリース予定で、色などの表示がシンプルになり、UIの雰囲気は現在提供中のiOS版に近くなる。パーソナライズ機能などにも対応する。Googleマップは現在、Androidのスマートフォン、タブレットに加え、iOSではiPhoneにのみ対応している。この新Googleマップは、新たにiPadでも利用可能になる。PC版(ブラウザ版)は、現在、プレビューを受け付けている。