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世界のスマホ市場 復調の兆し、カウンターポイントが調査結果を発表

 カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ(カウンターポイント)は、Market Monitor Serviceによる最新調査を発表した。2020年第3四半期の世界のスマートフォン市場は、前年同期比で4%減となったものの、前四半期比32%増となり出荷台数は3億6600万台に達したという。

2020年Q3スマートフォン出荷台数シェアと成長率

 出荷台数1位はサムスン電子で約7980万台(前四半期比+47%、前年同期比+2%)となり、過去3年間で最大の出荷台数となった。Note 20などの新機種やAシリーズがインド、西欧、中南米の市場で数を伸ばしたという。

 2位のファーウェイは約5090万台となり、第3四半期のシェアは14%となり、前四半期の20%から減少傾向がみられるという。

 3位のシャオミは、約4620万台(前四半期比+75%)となり、13%の世界シェアを獲得しました。カウンターポイントのアナリストbhilash Kumar氏は、中国市場で前年同期比+28%、前四半期比で+35%となったことや、中南米や欧州、中近東などの新市場で、貿易摩擦の渦中にいるファーウェイの犠牲の上で急拡大していると指摘する。また、インドネシアやフィリピン、ベトナムなどの東南アジア市場でも好調だという。

 一方、アップルのiPhoneは、第3四半期に前年同期比-7%となった。例年第3四半期に行っていた新製品発売を第4四半期に延期したことによるため。新機種のiPhone 12が2020年第4四半期に発売されたため、Appleの業績は戻るだろうと予測される。

2018年Q1から2020年Q3の期間中におけるスマートフォンOEMメーカートップ5の出荷台数の推移

realmeの急成長

 OPPO傘下のrealmeの出荷台数は、2020年第3四半期で5000万台を突破した。創業から5000万台突破までの期間は、サムスンやアップル、ファーウェイ、シャオミを抜き、最も短い期間での達成となる。

 中国市場での大躍進とともに、同社にとっての主要市場である、インド、インドネシア、バングラデシュ、フィリピンなど東南アジア市場で、トップ5社あるいはトップ3社に食い込みそうな勢いで急成長しているという。

スマートフォン出荷台数5000万台に到達するまでにかかった時間(四半期単位)

 Kumar氏は、高級機からお手頃な価格の機種の提供や、ネット販売やアフターサービスのスムーズな各国展開で、新型コロナウイルス流行の危機のなかで最も強い企業になったと指摘する。また、同社はスマートフォンだけでなく、スマートウォッチや完全ワイヤレスイヤホン、スマートテレビなどIoT分野にも事業を拡大しつつあり、グローバル市場でのポジションをさらに強くするだろうと分析している。

5G端末のシェア

 5G機種の2020年第3四半期の出荷台数は、前四半期比+82%となり、2020年上期の合計台数を超える勢いをみせているという。

 カウンターポイント社リサーチアナリストのAman Chaudhary氏は、ファーウェイ、vivo、OPPO、シャオミ、OnePlusから発売された手頃な5G端末が、市場に大量に出回ったことが影響しているという。また、米国、カナダ、西欧市場ではアップルのiPhone 12が5G普及を引っ張ることになるだろうとコメントしている。