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SUPER GT 第4戦、au TOM'Sは7位フィニッシュ

シリーズランキングは3位に

 国内最高峰のGTレース「SUPER GT」第4戦の決勝が、7月23日に宮城県にあるサーキット「スポーツランドSUGO」で開催された。

スタート直前のグリッド。この後、降り出した雨によって各チームがタイヤ選択で悩むことに

 KDDIがチームスポンサーとなっている「au TOM'S」チーム(36号車)は、第3戦・オートポリスで、今季初優勝を飾ったばかり。これによりチームポイントランキングは2位となり、勢いに乗りたいところだが、SUPER GTでは、ポイントを稼ぐごとにハンデが課せられることになっている。

 au TOM'Sにはウェイトハンデとして、64kgもの重りを載せられることに。7月22日に行われた予選でも、このウェイトハンデに苦しみ、13番手という下位に沈んでしまい、決勝を迎えることとなった。

 23日は朝から雨。決勝前のウォームアップ走行時は雨がやんでいたものの、路面はウェット状態。au TOM'Sのジェームス・ロシター選手も、ウォームアップ走行時にコースアウトして、なんとかコースに復活するなど、難しい路面状況だった。

 その後も雨は降らず、路面は乾いていったが、81周の決勝スタート10分前になって小雨が降り出してきた。このため、ウェットタイヤを選ぶチームもあれば、後方から逆転を狙うチームは、スリックで大勝負に出るところもあった。au TOM'Sはウェットタイヤを選択。スタート後、スリックタイヤを選択したチームが大きく後退していく中、au TOM'Sは11番手にまで順位を上げることに成功。

 スポーツランドSUGOには“魔物が住んでいる”と言われているが、まさに今回のレースも魔物による悪戯が連発した。5周目、GT300車両のクラッシュによりセーフティカーが導入される。さらに39周目にもクラッシュ車両により、2度目のセーフティカーが登場することになる。

au TOM'S LC500

 雨が止んでいき、コース上が乾いていく中、スリックタイヤに代えるタイミングをうかがうことになったau TOM'S。47周目にセーフティカーがいなくなり、ピット進入禁止が解除となったが、TOM'Sチームでは、まず37号車のKeePer TOM'Sを優先して、ピット作業を行った。

 いくつかのチームがピット作業を行うことで、au TOM'Sは4番手までポジションアップに成功。しかし、直後にGT300車両が1コーナーでコースアウトし、またもセーフティーが登場することとなった。セーフティカーが登場するとピットレーンが閉鎖され、ピット作業が行えなくなる。au TOM'Sは、まだこの段階でタイヤ交換などのピット作業が行えていない。

 SUPER GTでは、1レースで2人のドライバーが交代してレースを戦わなくてはならないが、1人のドライバーはレース周回の3分の1以上を走行しなくてはいけないというルールがある。今回の決勝レースは81周で行われるため、ジェームス・ロシター選手が3分の2以上となる周回数、54周を超えて走ることは許されない。また、ピット作業をしていないことで、燃料も底をつき始めていた。

 セーフティカーがいつ、いなくなるかがレース展開において重要なカギとなったが、規定ギリギリの53周目にセーフティカーが退出。au TOM'Sは慌ててピットに入り、中嶋一貴選手に交代すると共に、タイヤを交換、さらに燃料を補給した。

 ピット作業により順位は10番手にまで落ちたものの、その後、中嶋一貴選手の猛追により、順位をひとつひとつ上げていく。途中、MOTUL MUGEN NSX-GTを操る、実弟の中嶋大祐選手とのバトルを展開したが、最終的には7位でフィニッシュ。貴重な6ポイントを獲得した。

 これにより、au TOM'Sのチームランキングは、LEXUS TEAM LEMANS WAKO'S、LEXUS TEAM KeePer TOM'Sに続く、3位となった。次戦は8月6日に富士スピードウェイにて決勝が行われる。