ニュース

「Snapdragon 450」発表、全方位に強化のミッドレンジスマホ向けチップセット

MWC上海で公開、超音波指紋スキャンなど先進技術も拡充

 クアルコムは、ミッドレンジのスマートフォン・タブレット向けとなる新たなチップセット「Snapdragon 450」を発表した。このほかにも超音波指紋スキャン・認証技術や、LPWA対応のスマートウォッチ・プラットフォームなどが発表されている。

「Snapdragon 450」

 「Snapdragon 450」は、ミッドレンジ向けでは初めて14nm FinFETプロセスで製造される。ARM Cortex A53 CPUはオクタコアで搭載され、GPUはAdreno 506。どちらもSnapdragon 435から性能が25%向上している。電源管理の改善でSnapdragon 435から駆動時間が最大4時間延長されるほか、ゲームプレイ時の消費電力は30%削減される。

「Snapdragon 450」

 急速充電はQuick Charge 3.0をサポート。デュアルカメラでは1300万画素×2、シングルカメラなら2100万画素のセンサーを利用できる。動画撮影は1080p/60fps。ディスプレイは1920×1200ドットまでをサポートしている。

 X9 LTEモデムが搭載され、20MHz幅×2のキャリアアグリゲーションに対応。下り最大300Mbps、上り最大150Mbpsに対応する。

 「Snapdragon 450」は2017年第3四半期に出荷を開始し、搭載スマートフォンは2017年末までに発売される見込み。

「Qualcomm Fingerprint Sensors」

 「Fingerprint Sensors」は、前世代にあたる「Snapdragon Sense ID」から大幅に機能が拡張された、超音波指紋ソリューション。有機ELディスプレイやガラス、アルミなどの素材越しに指紋をスキャンできるほか、指を動かす方向も認識でき、心拍と血流も超音波により検知できるようになった。

 「Fingerprint Sensor for Display」は、最大1200μmまでの有機ELディスプレイを通して指紋のスキャンが可能。「Fingerprint Sensor for Glass」は最大800μmまでのカバーガラスに、同「for Metal」は最大650μmまでのアルミニウムを通してスキャンが可能になっている。

「Qualcomm Fingerprint Sensors」

 「Fingerprint Sensors」は単独のセンサーとしても利用可能。Snapdragonと統合して利用する場合、for Glassとfor Metalについては最新のSnapdragon 660/630が対応する。for Displayを含めた3種類は、今後登場するSnapdragonが対応していく予定。

 for Glassとfor Metalは6月にメーカー向けに提供が開始され、2018年前半に搭載製品が発売される見込み。for Displayは2017年第4四半期にメーカーに提供が開始される。

LTE Cat-M1、NB1対応の「Snapdragon Wear 1200」

 ウェアラブルデバイス向けのプラットフォームには、LTE Cat-M1、NB1対応の「Snapdragon Wear 1200」が発表された。79平方mmのLTE SoCと電源管理ICなどを含み、主要キャリアの15の周波数帯で事前検証済みのLTE Cat-M1およびNB1に対応。位置情報はGPS/GLONASS/Gallileo/BeiDouがサポートされる。

 アプリケーションプロセッサーはLinuxとThreadXのアプリを実行可能。LTE、Wi-Fi、Bluetoothで音声通話がサポートされる。

 「Snapdragon Wear 1200」はすでにメーカー向けに出荷されている。

 クアルコムからはこのほか、中国のメーカーからSnapdragon Wear搭載で4G対応のキッズウォッチが発表されたことや、中国の自動車メーカーにクアルコムの自動車向けソリューションが採用されたことなども案内されている。