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アイドルとVRでダンス、吉澤社長も体験~ドコモが5Gで実験スタート

 2020年の商用化を目指す次世代の通信技術「5G」。いわゆる第5世代の通信技術を指すワードで、技術の標準化はまだ完了していないが、国内の通信事業者は着々と準備を進めている。

 NTTドコモでは、22日、東京スカイツリー周辺に「5Gトライアルサイト」を開設。地上350mの展望台に高精細なカメラを設置して、その映像を5Gによる伝送を挟みながら地上で観賞できるようにするなど、一般ユーザーも、一足早く5Gを楽しめる環境の提供を開始した。

22日に開設された5Gトライアルサイト
ジオスタのイメージ

 5月24日~5月26日、5G関連のイベント「5G Tokyo Bay Summit 2017」において、フジテレビとともに「ジオスタ」を提供する。これはジオラマを使った技術のことで、スポーツ観戦などを想定。たとえば試合会場で選手の動きをキャプチャしておき、離れた場所に設置されたジオラマの競技場に、ARで選手を合成する。ディスプレイでも現地でも味わえない視点、距離感で試合を楽しめる。

VRでアイドルと共演

 また8月4日~6日に開催される「TOKYO IDOL FESTIVAL 2017」では、アイドルが踊るVRコンテンツに、自分自身が参加できるという体験型実験が行われる。あらかじめユーザーの全身を3Dスキャンしておき、アイドルが踊るステージをスマホで見れば、スマホのディスプレイ上にVR空間上にアイドルと自分が表示され、共演できる。

クロマキー合成のスタジオに入ると
VR空間で合成される

 VR関連では、フェンシングの太田雄貴選手と対戦気分を味わえるというコンテンツも用意。24日には、NTTドコモの吉澤和弘社長が楽しむ場面もあった。

吉澤社長がVRでフェンシングの太田選手と対戦

 パナソニックとは、コンサート会場に設置した360度カメラの映像を、5Gで伝送し、遠く離れた場所でも、これまでにない品質で臨場感を味わえる実験も2017年6月以降に実施される。

 吉澤社長は、24日の2017年夏モデル発表会で「ドコモは2020年に向けて5Gの取り組みを加速させていく」と意気込みを見せた。あわせて披露されたロゴマークは、新しい通信インフラとしての次世代感、先端性、期待感を表現するとのことで、今後、5G関連の取り組みは、随時報告していくという。

 このほかドコモでは、5Gの電波を可視化する実験用装置「5Gリアルタイム電波ビジュアライザ」の開発を完了したと発表。電波の届き具合を、360度カメラで撮影した画像の上に重ねて表示できる。

5Gリアルタイム電波ビジュアライザ

 こうした5G関連の取り組みは、5月24日~26日、東京ビッグサイトで開催される「Wireless Technology Park 2017(WTP2017)」の「5G Tokyo Bay Summit 2017」で披露される。