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KDDIが岩壁に電波を反射させて奥上高地・横尾地区を4Gエリア化

 KDDI中部総支社は、長野県松本市の「奥上高地・横尾地区」で“山岳反射”という手法を用いた通信エリア整備を行い、4月下旬の山開きにあわせて同地区で4G LTEを利用できるようにした。

 横尾地区は標高約1500メートルの山岳景勝地の上高地の最も奥に位置しており、通信回線や電源の確保が難しく、基地局の設置が困難とされる。そんな中、KDDIはエリア化が可能な蝶ヶ岳山頂付近にある蝶ヶ岳ヒュッテから屏風岩と呼ばれる樹木の無い岩壁に電波を反射させ、同地区に電波を届けるというアイデアを思いつき、有効性を検討。その上で昨年秋に機材の設置を実施した。

山岳反射のイメージ図。横尾山荘の実際の位置は屏風岩の右側の谷間あたり

 通常、こうした反射波はノイズを発生させ無線通信に悪影響をもたらす悪者として嫌われる存在だが、KDDIでは逆転の発想でエリア整備に活用した。同社によれば、こうした手法をエリア整備に用いた例は中部総支社の中でもここだけだという。