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「超多素子アンテナ」で利用効率8倍に、NECとドコモが5Gに向けた実験

 NECは、NTTドコモとの共同実験として、次世代のモバイル通信技術「5G」をの要素技術の検証を実施した。周波数利用効率をこれまでの約8倍に高めることに成功したという。

 今回の実験は、5Gの要素技術のうち「Massive MIMO」を検証する内容。NECが開発した「低SHF帯超多素子AAS」(超多素子アンテナ)を利用している。

実験で利用された「低SHF帯超多素子AAS」(超多素子アンテナ)

 「Massive MIMO」は、混雑しているエリアなどで、干渉を抑えて効率的に電波を利用するための技術。超多素子アンテナは、多数の素子を備え、電波の出力強度や方向をそれぞれ調整できる。

 実験は、神奈川県横須賀市と東京都渋谷区で行われた。目的は、壁などに反射するビームや回り込んで届くビーム(マルチパス)を制御することで、携帯電話などの端末への通信強度を高められるかを検証すること。

 実験の結果、マルチパスによって端末に直接当たるビームを強化し、干渉を打ち消すことに成功したという。特に、屋内での実験では、LTEと比較して約8倍の周波数利用効率で、安定して運用できることが確認された。