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ポイントは快速充電、省エネ、カメラ~ファーウェイ呉波氏が語る「Mate 9」

右から、八田亜矢子、皆藤愛子、呉波氏、潮田玲子

 ファーウェイ・ジャパンは、SIMロックフリーのスマートフォン「Mate 9」とタブレット「MediaPad M3」、リストバンド型端末「HUAWEI FIT」を発表した。本記事では発表会に登壇したファーウェイ・デバイス ジャパン コリア リージョナルプレジデントの呉波(ゴ・ハ)氏への囲み取材を中心に、発表会の模様をお届けする。なお、新製品の詳細は別記事を参照。

 発表会の冒頭登壇した呉氏は、同社の近況を紹介。ハイエンドからローエンドまで、幅広いモデルを展開する同社だが、2016年第3四半期には、市場シェア拡大の中心となったのは中上位モデルだった。

 技術開発にも積極的で、「P9」から始まったライカとの提携では、ARや画像処理技術なども含めた研究開発を行う「Max Berek Innovation Lab」を開設している。

 国内では、スマートフォン市場全体のシェアで、アップル、ソニーモバイル、シャープに次ぐ4位となり、タブレットではアップルに次ぐ2位となっている。

 新製品のプレゼンテーションでは、フリーアナウンサーの小笠原聖、皆藤愛子、八田亜矢子、潮田玲子らがプレゼンターとして登場。皆藤、八田、潮田の3人はトークセッションでも製品の魅力を紹介した。

ファーウェイ呉波氏、囲み取材一問一答

――今回発表された「Mate 9」と8月に発売された「P9」は、どちらもフラッグシップモデルだが、どのように差別化するのか。

呉氏
 Mateシリーズは、主にビジネスユーザーをターゲットとしたシリーズだ。「Mate 9」のポイントは、快速充電、省エネ、カメラの3つ。

 私も使ってみたが、夜に充電しなくていい初めてのスマートフォンだった。1日ヘビーに使っても、夜寝るときに40%近く電池残量が残っている。急速充電のおかげで、朝の30分程度の充電で十分足りてしまう。

 カメラは「Mate 9」と「P9」のどちらもライカのレンズを搭載している。Mate 9では共同開発しているソフトウェアも2.0になり、より芸術性が高く、“ライカ品質”の一眼レフに近いカメラになった。

 他にも、独自開発のEMUI 5.0を初めて搭載して、使えば使うほどサクサク動くことも強調したい。

――Mateシリーズ、Pシリーズ、honorシリーズ、novaシリーズなど多くのブランドがあり、消費者にとっては分かりにくいようにも思えるが、どのような考えでブランドを広げているのか。

呉氏
 スマートフォンの主力ブランドは、「Mateシリーズ」「Pシリーズ」「novaシリーズ」の3つだ。「Mate」はビジネス向けで、「nova」は女性向けという位置づけになっている。

 「honor」はオンライン販売限定のサブブランドという位置づけだ。日本では「Mateシリーズ」と「Pシリーズ」を展開していく。

呉波氏

――Appleは防水やFeliCaに対応した「iPhone 7」を発売したが、ファーウェイは対抗するのか。

呉氏
 日本では消費者のニーズを理解しようと努めてきた。実は、2012年にNTTドコモから発売された「Ascend D2」は、防水、おサイフケータイ、ワンセグに対応していた。つまり、技術上のハードルは全く無い。

 ただし、SIMフリー市場では、キャリアによるサポートが得られないという本質的な違いがある。その点を考慮しなくてはいけない。

――グローバル戦略の中で日本市場をどのように捉えているか。

呉氏
 日本市場はファーウェイのコンシューマー、ネットワーク、エンタープライズの3つのビジネス部門において、世界でも最重要市場の1つだ。SIMフリー端末を展開するコンシューマー部門では、「安いだけでなく、自由に選択できるようにしよう」というメッセージを発してきた。今回はフラッグシップモデルとして「Mate 9」を投入する。

――SIMロックフリー市場での高いシェアを生かして、3大キャリアへの採用を働きかけていく方向性はあるか。

呉氏
 ちょうど先週、KDDI傘下のUQ mobileが、「P9 lite PREMIUM」を発売した。これはキャリアモデルとして提供されるスマートフォンだ。SIMロックフリー市場での好調で、キャリア向け販売へも化学反応が起きていると感じる。

――「P9」も好調だが、日本ではどの辺りが評価されていると思うか。

呉氏
 一番の要因は日本の消費者の皆様に信頼されていること、利用する過程で安心感を得られてることにあると思う。我々はNPS(Net Promoter Score)という、使用者が周囲に商品を勧める割合を示す指数を指標としているが、今のところ日本市場のNPSは満足できる範囲にある。

――日本の部品メーカーとの連携についてどう考えるか。

呉氏
 公式な割合は発表できないが、ファーウェイのスマートフォンには多くの日本メーカーの部品を採用している。ファーウェイ専門のビジネスユニットを用意している部品メーカーもあると聞いている。