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Bluetoothで徘徊防止、ALSOK「みまもりタグ」が国交省のモデル事業に

10市町村で無料配布

 綜合警備保障(ALSOK)は、Bluetoothを用いた徘徊防止サービス「みまもりタグ」が国土交通省の「スマートウェルネス住宅等推進モデル事業」に選定されたと発表した。今後、10市町村に製品を配布し、認知症患者などの徘徊を防止するネットワークの構築を支援する。

 「みまもりタグ」は、ALOSKが2016年に開発した小型のBluetooth発信機(ビーコン)。ボタン電池で1年以上長時間動作する。専用のシューズにタグを入れて、違和感なく持ち歩くこともできる。

 ボランティアには無料の「みまもりタグアプリ」を配布。タグを身に着けた人が、アプリをインストールしたボランティアに近づくと、匿名の位置情報履歴として、ALSOKのサーバーに保存される。据え置き型で通ったタグの位置情報を自動で送信する「見守りタグ感知器」も用意している。

 保護者は、契約した見守りタグの位置情報履歴をアプリから確認できる。

 同様のシステムは他社も提供しているが、ALSOKは警備事業で培った無線通信ノウハウを活用して、雨天時の電波強度の減衰を抑える仕組みを盛り込んだという。また、捜索依頼に関する情報のやり取りはすべてコールセンターを通して行うため、ボランティアと保護者が直接接触する必要がないシステムになっている。

 今年度中を目途に、個人でも契約できる製品として提供される予定。タグの価格は2200円程度で、利用料は月額200~300円程度となる見込み。感知器はは2万5000円程度で、利用料は月額500円程度。専用シューズは1万円程度。

 モデル事業は総額1.5億円規模で、費用の3分の2を国が、残りをALSOKが負担する。期間は2016年12月~2019年3月で、期間中は利用料も無料で提供する。対象自治体は茨城県笠間市、埼玉県さいたま市、埼玉県小鹿野町、東京都多摩市、東京都海老名市、滋賀県湖南市、奈良県天理市、奈良県生駒市、福岡県北九州市。