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モバイル通信でリモート操作、ドコモが福岡で「セルラードローン」実験

 NTTドコモは、MIKAWAYA21、エンルートと協力し、福岡市において携帯電話の通信機能を備えた「ドローン」(無人航空機)の実証実験を行う。目視できないほど離れた距離にあるドローンも、携帯電話の電波を経由して遠隔操作しつつ、九州本島側の福岡市西区から2.5km先の能古島へ荷物を配達する。2018年度の商用化を目指す。

 ユーザーの買い物代行サービスという位置付けで、島までの輸送手段としてセルラードローンを用いる。ターゲット層はシニア層と子育て世代。日用品の配達を行う。注文が入れば、店舗で商品を準備、オペレーションセンターに離陸の準備が整ったと報告すると、リモートでの飛行に移行する。このときあらかじめ指定された飛行ルート(ウェイポイント)に沿って、ドローンは自動的に飛行する。能古島で中継ポイントまで運ぶと、短距離配送用ドローンか、トラックに積み替えて、最終的にユーザーの手元へ商品を届ける。

 実験が行われるのは2016年11月~12月。機体の制御、監視の精度向上や、携帯電話ネットワークへの影響、そしてサービスそのものの有用性が検証される。

【セルラードローンについての映像】

 ドコモでは9月より横須賀市の開発拠点において、携帯電話搭載のドローンを使った実証実験を行っている。航空法上、高度150mまで飛べるというドローンだが、上空の電波状況はこれまできちんと把握されておらず、横須賀の実験で上空の通信品質などを検証する。また新潟市では農業分野においてドローンを活用する実験を行う。

 19日の新機種発表会では、携帯電話そのものを通信モジュール代わりに積んだドローンや、現行の通信モジュールを搭載したものなどが展示されていた。

スマートフォン内蔵ドローン、エンルート社製 EX1050
モジュール内蔵ドローン(プロトタイプ)、エンルート社製 FH940
ドコモR&Dセンタ実証実験中ドローン、自律制御システム研究所 ミニサーベイヤー