ニュース

KDDI、トヨタ、コメダ珈琲が愛知県内で「ながらスマホ運転」防止キャンペーン

スマホを伏せて運転するとコーヒーがタダに

Driving BARISTA

 KDDI、トヨタ自動車、コメダの3社は、スマートフォンを操作しながら自動車を運転することの防止を目的にした啓発キャンペーンを愛知県内で実施する。

 今回のキャンペーンでは、iPhone/Android端末向けのアプリ「Driving BARISTA」が配信され、同アプリを起動し、端末を伏せた状態で自動車を運転することでコメダ珈琲のコーヒー無料クーポンが取得できる。初回は100kmの走行で、2回目以降は200kmの走行でクーポンを取得できる。

 走行距離の蓄積期間は2016年9月20日~2016年10月6日、コーヒーの引換期間は2016年9月20日~2016年10月31日。走行距離がカウントされるのは愛知県内のみで、クーポンを利用できる店舗も愛知県内に限定される。

アプリを起動し、伏せた状態で平らなところに置くと走行距離がカウントされる
走行中にスマホを手にとると、それまでの走行距離がリセットされてしまう

 20日に名古屋市内で開催された発表会には、愛知県警警察本部 交通部 交通総務課 交通事故対策室長の飯田悟氏が登壇。愛知県は交通事故死者数が全国ワースト1位という不名誉な状況が続いており、7月に登場し爆発的なブームが起きたスマホゲームによる事故も起きているとし、県民からこうした行為の取り締まりへの要望もあり、啓発に努めているという。飯田氏は「このプロジェクトがきっかけになって、愛知県内の人が一人でも多く、ながらスマホをやめよう、やめさせようという風潮、意識が芽生えてくれば、交通事故が減っていくと期待している」と語った。

 また、トヨタ自動車 BR J-ReBORN室 主査の西内律子氏は、同社として安全啓発や道路環境の整備、安全な車作りの三位一体の取り組みを行うとともに、事故を調査・分析し、事故を再現し、対策を車に織り込んでいくというサイクルを回していくことで、より安全な車に近づけていくという取り組みを行っていることを説明。その上で、西内氏は「このプロジェクトが愛知県全体に広まり、ドライバーの方々の心が動き、ながらスマホはやめようと意識・行動される人が一人でも多くなって、交通事故減少につながってほしいと願っている」と述べた。

愛知県警警察本部 交通部 交通総務課 交通事故対策室長の飯田悟氏
トヨタ自動車 BR J-ReBORN室 主査の西内律子氏

 続いて登壇したKDDI CSR・環境推進室 室長の鳥光健太郎氏は、歩きスマホ注意アプリを提供するなど、さまざまな啓発活動を行ってきたが、実際にやめるという行動にはなかなかつながらないという課題があるとする。そこで今回は「それなら、やめよう」と思える施策を実施しようということで、今回のキャンペーンに繋がったという。

 コーヒーの提供で協力するコメダ 専務取締役の駒場雅志氏は、コメダ珈琲の全国700店舗のうち244店が愛知県内にあるとした上で、「運転中にスマホがしたくなったらお店に来ていただき、ゆっくりスマホを楽しんでほしい。交通事後低減という地元の課題解決に貢献していきたい」と述べた。

KDDI CSR・環境推進室 室長の鳥光健太郎氏
コメダ 専務取締役の駒場雅志氏

 プレゼンテーションの終了後には、元スピードスケート選手の岡崎朋美氏と元フィギュアスケート選手の小塚崇彦氏がゲストとして登場。「Driving BARISTA」アプリの利用シーンをイメージしたデモを行った。二人は「ながら運転防止アプリは素晴らしい。交通事故があると被害者も加害者も生活が変わってしまう。絶対にゼロにした方がいい」(岡崎氏)、「ちょっと手が伸びそうになった時に手が伸びなくなりそうでいい」(小塚氏)と同アプリの印象を語った。

元スピードスケート選手の岡崎朋美氏と元フィギュアスケート選手の小塚崇彦氏がゲストとして登場し、アプリのデモを行った