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「ドコモの人口統計×人工知能」でタクシー需要を予測する実験

 NTTドコモは、東京無線協同組合、富士通、富士通テンと協力して、タクシーの需要をリアルタイムに予測する「移動需要予測技術」を開発、6月1日から実証実験を開始した。ドコモでは「世界で初めて交通網の効率化を目指す実験」としている。

 「移動需要予測技術」は、現在から30分後、タクシーがどの程度利用されるか、その需要を予測するという技術。推測に使用されるのは、NTTドコモの携帯電話の利用状況をもとにした人口統計と、東京無線のタクシー運行データ、気象データ、店舗などの施設情報。それらのデータを機械学習などの人工知能技術を用いて予測モデルを作る。

 実験では、タクシーの運転手へ、音声や文字、タブレットの地図などを通じて予測データを提供。実際に運用することで、有効に機能するかどうかチェックする。なおタクシー車両の運行データは富士通テンの配車システムと、富士通の位置情報サービス基盤「SPATIOWL(スペーシオウル)」によって収集される。

 ドコモでは、海外からの来日観光客が増えて、交通へのニーズが高まると指摘。その一方で、少子高齢化でタクシードライバーのなり手が将来減少する可能性もあり、「移動需要予測技術」を実用化して、適切にタクシーを供給できる環境作りの一助になる、としている。