【2015 International CES】
「スマートウェア」や「Android TV」が目玉のソニーブース
(2015/1/9 16:55)
CESではスマートフォンに関する発表がなかったソニー。一方で、Xperiaなどの端末と連携し、世界観を広げる周辺機器の展示は充実していた。また、4Kのテレビには「Android TV」を採用。テレビは単体で楽しむことが可能だが、Androidがベースになっているだけに、スマートフォンとの連携機能も充実している。
ウェアラブルを中心とした周辺機器を、ソニーは「スマートウェア」と呼ぶ。CESに合わせて新たに発表されたのが、メガネやゴーグルなど、既存のアイウェアに装着することを前提にした「SmartEyeglass Attach!」。プロセッサーやセンサー、無線LANなどをまとめた制御基盤と有機ELディスプレイ、そしてそれを目の前に投影する光学ユニットが一体となったデバイスだ。ソニーのブースでは、サイクリングの際に、周囲の情報が表示されるデモを行っていた。
超小型の有機ELディスプレイは、明るいところでの表示に強く、クッキリとした映像が映し出される。外観から分かるように、情報は片眼で見る仕様だ。ブースで試した限りでは、はっきりと情報が表示されることを確認できた。
ただし、装着時に表示位置を調整する必要があった。映像が映し出される範囲は、非常に狭い印象だ。また、これはGoogle Glass型のスマートグラスと共通しているが、映像が表示されると、どうしてもそちらを凝視してしまいがちになる。そのため、デモで示されていたようなスポーツの際に、常時ディスプレイを見るのは非常に危険だ。ソニーでは、常時表示されるような情報ではなく、スコアのようにたまに参照する情報を表示することを想定しているという。
これに対して、両眼で現実の光景に情報が重なり合うように表示されるのが、IFAでプロトタイプが披露された初代「SmartEyeglass」。グリーンの単色表示だが、目の前の光景と一緒に情報を見ることができる。SmartEyeglass Attach!とは異なり、AR(拡張現実)のコンテンツを表示させるのに向いているデバイスと言えるだろう。こちらも実際に試してみたが、ゼンリンの提供するナビゲーションの情報をきっちり認識することができた。一方でSmartEyeGlass Attach!とは異なり、フレームまで一体化されたデバイスのため、メガネをかけている人が使えないのは大きな課題と言えるかもしれない。
IFAでプロトタイプが披露された「SmartEyeglass」は、対応コンテンツを拡充。映像が現実の光景に重なり合う特性を生かしたコンテンツが用意された
Android TVの「BRAVIA」
スマートフォンとの連携という点では、Android TVを採用したBRAVIAも注目しておきたい製品だ。会場の展示機は自由に触れなかったが、説明員が操作する様子を見ることができ、その仕様のいくつかを確認できた。リモコンは非常にシンプルでタッチパッドを搭載。スマートフォン感覚で、左右にスクロールさせることができる。テレビ放送を表示している際に上方向にフリックすると、ネットの映像配信サービスの番組が表示される仕組みだ。
また、Android TVはスマートフォン向けAndoridとも互換性があり、同プラットフォーム向けに開発されたゲームもそのまま動く。Bluetoothでコントローラーを接続すれば、家庭用ゲーム機のように遊ぶことも可能だ。
さらに、Android TVを採用したBRAVIAには「Google Cast」が搭載されている。これは、スマートフォンの映像をテレビ側に送る「Chrome Cast」と同等の機能。スティックを挿す必要がないのが、Chrome Castとの大きな違いだ。スマートフォン側でYouTubeなどを再生している際に、キャストボタンを押すだけで映像をテレビ側に送信することができる。Chromecastと同様、映像はスマートフォンから転送されているのではなく、テレビ側が直接ネットにつなる仕組み。そのためテレビで映像を再生しながら、スマートフォンでは別の操作をすることが可能だ。
このほか、実機でのデモはなかったが、説明員によると、Android搭載スマートフォンをリモコンとして使うこともできるという。Xperiaの新製品はなかったソニーブースだが、スマートフォン連携の観点で見ると、幅広い内容になっていたと言えるだろう。このほか、ソニーブースには「SmartWatch 3」のメタルバンドや、「SmartBand」のブランドコラボバンドが展示されていた。