【CEATEC JAPAN 2012】
パナソニック、“スマート家電”への取り組みをアピール


パナソニックのブース
多数の家電とスマートフォンとの連携機能について紹介している

 CEATEC JAPAN 2012では、一歩進んだ省エネを実現するための仕組みである「HEMS(ヘムス:Home Energy Management System)」という言葉が至るところで見受けられたが、パナソニックブースでも、そのHEMSに関わるソリューションを多数紹介。スマートフォンを家電と連携させる“スマート家電”への取り組みもその一環で、日常で使うさまざまな生活家電との連携機能を実演していた。

 多くがすでに発表済み、あるいは発売済みの製品に関するデモであったが、スマートフォンの専用アプリによる統一的なインターフェイスで同社の複数の家電製品を操作・設定できることや、クラウドを用いたデータ管理、アプリの活用方法などについて詳しく解説。多くの来場者が熱心に聞き入っていた。

 たとえば冷蔵庫の所定の位置にスマートフォンをかざすことで、自動記録されるドアの開閉回数の日別推移を確認したり、冷蔵庫自体が備える照度センサーで自動検出した食材容量の目安表示が可能。それらの情報をもとにした“エコナビ率”をグラフ化し、日ごとの節電レベルを簡単に把握できるようになっている。スチームオーブンレンジや炊飯器といった調理用家電もスマートフォンに対応。スマートフォン上であらかじめ温め方、炊き方を設定しておき、スマートフォンをかざすだけで、その設定を家電に反映させることができる。あとは家電のスタートボタンを押すだけで調理が開始するというわけだ。随時配信される料理レシピを参照し、その料理に適した設定をワンタッチで家電に反映させることも可能だ。

冷蔵庫のドアの開閉回数や内容量の確認が可能
スチームオーブンレンジでは、複雑な調理設定を手軽に設定できる
炊飯器も、配信される料理レシピを選んで、お米の炊き方を自動設定
洗い方、洗剤量などをスマートフォン上で設定できる洗濯機

 洗濯機では、洗い物の内容に応じた洗濯時間、洗い方、洗剤量などをスマートフォン上で設定し、洗濯機にかざしてその設定を反映でき、過去の洗濯履歴も参照できる。さらに、体組成計や活動量計、血圧計とスマートフォン間でデータをやりとりして、日々の運動や健康の管理に役立てられる。いずれも対応機種はFeliCaもしくはNFCを搭載したAndroid端末となっており、同社が管理するクラウドサーバーとの通信が必要となる。担当者によると、FeliCa/NFCを用いた各家電のファームウェアアップデート機能の搭載も検討したが、データ転送速度などの問題から断念したとのこと。

体組成計、活動量計、血圧計のデータもスマートフォンをかざして参照できる
エアコンでは稼働状況の確認やリモートからの電源オフなどが行える

 エアコンについては、かざして使うのではなく、オプションの「無線アダプター」を介して無線LANやインターネット経由でコントロールする仕組みため、多くのAndroid端末やiPhoneに対応する。現在のエアコンの稼働状況や、室内の温湿度、室外温度のチェック、月ごとの電気料金の推移グラフの表示などが可能で、外出先でエアコンをリモートコントロールし、電源を切ることもできるようになっている。経済産業省の指摘により、リモートからの電源オン機能には待ったがかかったが、実現の障壁となっている電気用品安全法が改正された暁には、アプリのバージョンアップのみで機能追加が可能になるという。

 その他、同社のテレビ製品VIERAやレコーダー製品DIGAとスマートフォンとを連携させる「VIERA remote」、「DIGA remote」などのアプリも紹介。チャンネルと音量の変更、メニューの選択といった操作がスマートフォンの画面タッチで快適に行えたり、番組検索・予約やTwitterとの連携が簡単にできるアプリも試すことができる。

スマートフォンがテレビのリモコンなどになるアプリやサービスを展示
テレビ操作用のデモ機として「ELUGA Live P-08D」、「ELUGA V P-06D」が用意
フリック操作でチャンネル変更などが可能



(日沼諭史)

2012/10/3 14:24