世界のケータイ事情
ピンチョスと鉄鋼の街ビルバオ
(2013/5/29 08:00)
Hola! 今回はスペイン北部のビルバオという街をご紹介します。
日本とあまりゆかりのないこの街は、2000年日本公開の、映画『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』の舞台となった街で、人口は約35万4000人でスペイン第10位。スペイン北部屈指の港湾都市で、鉄鋼業が盛んな街です。また、この街は、バスク地方に位置し、バスで1時間半でヨーロッパ屈指の美食で有名なサン・セバスチャンに行くことができます。
今回は10日間の滞在だったため、日本の携帯電話のSIMロックをフリーにして、現地でSIMを購入しました。今回使用したのは、Happy Movilのプリペイド。データ使用は1GBまで高速の3G回線、1GBを超えると64kbpsに速度が下がりますが、月のアカウント料は8ユーロ(8ユーロ分の通話料込)です。
現地の人々をチラリと見ればAndroid端末が多い様子。iPhoneは、BlackBerryと共に、端末自体が高いらしく、富裕層かビジネス層の利用に限られているらしい。最近の人気機種はサムスン製だそう。ビルバオの人々は、スペイン語、バスク語のバイリンガルがほとんどだそうで、テキストでメッセージするときはスペイン語もバスク語も使っているようです。
メインキャリアはどこなのだろうと思い現地在住の弟に聞くと、自宅インターネットと携帯電話のセットで各キャリア、MVNOなどがキャンペーンをやっているようで、キャンペーンにのって、数カ月毎に安いキャリアに変更をしている人も珍しくないそうです。でも、やっぱり安いプランはADSLでした。
街に出れば、お昼からワインかコーヒーとピンチョス(バスク語でタパスの事)。子連れのママ達もお喋りしながらランチの光景もあちらこちらに。夜はピンチョスを食べにBarを梯子して飲んで歩く人々について行きました。この梯子することをポテオといい、梯子(外に出て歩く)することで(現地の人は)ベロベロには酔っぱらわないそうです。街が小さいためか、どこへ行っても知り合いに会っちゃう。Barへ行ったら、すぐ話がはじまるのでとても携帯電話どころではないようです。やっぱり最近欧州で流行っている「WhatsApp」は必須です。友達に連絡するのに、いちいち電話かけたり、メールなんか立ち上げません。スマホ世代は皆「WhatsApp」を使ってコミュニケーションしています。ちなみに、子供が携帯をもっている光景は見かけません。外で元気に遊んでいました。
実はゴールデンウィーク中に家族4人で弟の住むこの街を訪れる予定でしたが、予算の関係で残された家族は、モバイル端末(携帯、タブレット)を使ってバーチャル旅行を楽しみました。オンタイムで、オンラインで現地の家族と会話し、観光も自分用にカスタマイズされた旅行番組のように(もちろん、こちらから指示を出すのですが)あれこれ見ることができました。
残念ながら、街を散策中にはWi-Fiがいまいちつながらなくて、Vineでとったで動画を後から送ってもらいました。さすがに肌で感じる雰囲気、温度、おいしそうな食事の味、匂い、現地の人とのふれあいは経験できませんでしたが、一回下見にいった気分を味わいました。
ビルバオの良いところは、海、山がすぐ近くで、新鮮な食材が手に入り、美食の町サン・セバスチャンの半額以下でおいしい食事を楽しめること。ピンチョスはバスク料理として有名ですが、「チャコリ」という安いバスク地方発祥の発泡白ワインと、ピンチョス2~3個で5ユーロぐらい、2人で行っても10ユーロでおなかいっぱい。Barでは最近、アカペラ男性グループ(10名前後)がいて、マリアッチのようにBarからBarへ梯子しているらしいですが、少々煙たがられているという話も……。
ビルバオは、ヨーロッパ周遊で観光するなら1日で十分という街ですが、一歩街を出れば海も山もあり、トレッキングや、カヤックなどのスポーツも楽しめます。シーズン以外だと街をちょっと離れた貸し別荘が格安でレンタルできるそうです。また、物価はサン・セバスチャンの半分以下!! 治安も悪くなく、皆フレンドリー。しかし、現地の方は英語は得意でないようなので、簡単なスペイン語かバスク語学んでいくといいかもしれません。
それでは「Agur!」(バスク語でさようなら)。