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スター・ウォーズの新ロボット「BB-8」がスマホで操作できるおもちゃになった

 映画ファンにとって2015年という年は、2つの大きな事件が起きた年だった。1つはかの名作「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」で未来として描かれていた年であるということ、そしてもう1つが、SF映画の金字塔「スター・ウォーズ」シリーズの新たなエピソード「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が公開される年ということだ。

 「フォース」と呼ばれる超能力を駆使したアクション、疾走感溢れる宇宙船の動きなど、見どころの多いスター・ウォーズシリーズだが、劇中に登場するロボットも魅力の1つ。特に「R2-D2」「C-3PO」という2体のロボット(ドロイド)は、スター・ウォーズを代表するキャラクターとしての認知度を誇り、さまざまなグッズが販売されるほどの人気を博している。

 最新作となる「フォースの覚醒」でも、「BB-8」というロボットが上映前から人気を集めている。一見するとR2-D2に似たデザインながらも、大きな特徴はその体。球体のボディそのものが高速で回転することで移動するその様子が予告編(※YouTube)で公開されるやその人気は大爆発。さらに今年4月に行なわれたスター・ウォーズのイベントで、劇中と同じサイズのBB-8が実際に登場。「いったいどんな仕組みなのか」とファンを驚かせた。

片手で持てる程度のサイズの本体

 球体のボディだけは自由自在に動きながらも、頭部は常に同じ位置をキープしているというその動きの不思議さは、きっと映画向けに大がかりな仕組みで実現しているのだろう。そんなことを思っていた筆者だったが、そんな先入観を打ち破るかのように登場したのが、今回紹介するロボットトイ、その名も「BB-8」だ。映画の動きそのままに走り回るBB-8の仕組みがどうしても気になり、2万円前後と比較的手に取りやすい価格だったこともあって勢いで購入してしまった。

 Bluetoothを内蔵し、スマートフォンから操作できる「スマートトイ」と呼ばれるジャンルの玩具だ。専用アプリをインストールし、本体とペアリングすると、スマートフォンからラジコン感覚で自由に操作できる。アプリはiOSとAndroidに対応しているが、どちらもアプリサイズが100MBを超える大容量のため、Wi-Fi環境などを使ってインストールすることをお勧めする。

スマートフォンからワイヤレスでコントロール

 気になっていた仕組みは至ってシンプルで、一言で言うなら「頭なんて飾りです」ということ。スマートフォンから操作するのは球体のボディのみで、頭の部分は磁石で本体と接続。本体が動くときも常に内蔵の磁石を本体上部に保つことで、頭の部分がまるで本体と一体のように見える、というわけだ。

頭部は磁石で本体と接続する仕組み

 なお、BB-8を開発したSpheroは、すでに社名と同名の球体型ロボットトイを発売済みで、このSpheroに頭部をくっつけたのがBB-8になる。球体のロボットを自由自在にコントロールできるだけでも十分に面白いのだが、これに頭部がくっつくだけでなんとも愛らしくなるのが不思議。前述の通り、頭部はマグネットで接続しているので、大まかな向きの指定はできても移動中の細かな動きまではコントロールできず、頭部の揺れ具合は基本的にランダムだ。だがそれがまるで生き物のように見えてしまうのがなんとも不思議。実際に人前で何度か走らせたこともあるが、「かわいい!」「ペットみたい!」と大好評だった。

 BB-8はスマートフォンから自分で操る「ドライブモード」のほか、自動で動き回る「パトロールモード」も搭載。このモードは障害物にぶつかると向きを変えて別の方向へ移動するという、大まかにいうとルンバのような動作をするモードだ。どこに行くかまったくコントロールできないという不安もあるが、自由気ままに動き回るBB-8はよりペットらしさを感じさせる。

ドライブモード
パトロールモード

 このほかにも音声操作でコントロールできるモードや、写真を取り込み、BB-8がホログラムを映し出しているかのようにアプリで見ることができるメッセージモードなどさまざまなモードを搭載。メッセージモードはあくまでアプリ内でしか表示できないジョーク的な機能だが、R2-D2がレイア姫をホログラムで映し出した名シーンを知っている人なら思わずニヤリとするだろう。

メッセージモード
サンプルで入っているR2-D2のイラストを表示。アプリから見えるだけで実際にホログラムが表示されるわけではない

 設定は非常に手軽で、アプリを起動して本体に近づけるだけでペアリングが完了。充電も無接点充電を採用し、専用のスタンドに置くだけで簡単に充電できる。こうした使いやすさもBB-8の魅力の1つだ。

アプリを起動して近づけるだけでペアリング
置くだけで充電できる無接点充電。充電台に接続するケーブルはmicroUSB

 おもちゃとして考えると2万円は高いかもしれないが、スマートフォンで自在にコントロールできる楽しさ、未来を感じさせながらどこか愛らしさも持ち合わせる独特の動きなど満足度も高い。実際に購入しないまでも、体験イベントなどがあれば、ぜひBB-8の動きを実際に見て欲しい。

製品名販売元購入価格
BB-8Sphero2万1384円

甲斐祐樹