本日の一品
VPN&無料ダイナミックDNSが魅力の11ac対応ルーター
(2014/6/16 06:00)
今回ご紹介するのはアイ・オー・データ機器が3月に発売したルーター兼無線LANアクセスポイントである「WN-AC1600DGR2」。無線LANの最新規格である「IEEE 802.11ac」に対応したモデルだ。11ac規格に対応するAndroidスマートフォンは徐々に増えてきている。恐らくは次期iPhone(iPhone 6?)でも採用されるのではないか……と推測し、このタイミングで我が家にもWN-AC1600DGR2を導入してみた。
このルーターは、NFCによる接続設定に対応したとか、無線LANの設定を“引越”できるとかいろいろな機能があるのだが、筆者が重要視したのは別の部分。それは11acに対応した上でなおかつ“VPNサーバー機能と無料ダイナミックDNSをサポートしている”という点だ。
VPNサーバーというのは外出先から自宅内LANにアクセスするための機能。自宅のパソコンに保存してあるファイルを外出先から見たい場合などに重宝するのだが、この際「VPNサーバーとの通信が暗号化される」ことに大きな意味がある。
というのも、最近になって公衆無線LANが普及しはじめているが、多くの場合、これらは通信が暗号化されていない。その気になれば、第三者が通信内容を見ることができてしまうのだ(WPAなどを適用させていればその心配は減る)。ならば利用者側で何らかの暗号化を施す必要があるが、その中で最も身近なのがVPNである。
VPNにもいろいろ形態があって、利用者側でわざわざ機器を用意せずにお金だけ払って暗号化を請け負ってもらうサービスもある。だが、WN-AC1600DGR2は、自宅内LANへのアクセスにも使えて一石二鳥(もちろん、可用性などは有料VPNのほうが上だが)。なお、VPN利用時のインターネットアクセスは、このルーター経由となる。3G/LTE接続とは通信経路が微妙に異なるので、ご注意を。
もう1つのダイナミックDNSだが、これはVPNをより気軽に使うために必須。通常ならばVPNの接続先を「xxx.xxx.xxx.xxx」のようなIPアドレス(数列)で指定しなければならない。加えて、一般的な固定系インターネットプロバイダーでは再接続のたびにIPアドレスが変更されてしまう。これでは色々面倒だ。
ただ、ダイナミックDNSがあれば、IPアドレスがどう変更されようが、ユーザー側は一度固定したドメイン(impress.co.jpというような文字列)へアクセスするだけで済むようになる。また、ダイナミックDNSの多くは月額300円前後の有料であることが多い。WN-AC1600DGR2ならば、この機能が無料で利用できる。
VPNとダイナミックDNSの設定も簡単。特にダイナミックDNSについては、割り当てられたドメインをプリセット値のまま変更せずに使うのであれば、ユーザー登録も不要になっている。あとは、スマートフォン側でVPN設定を有効化すれば、暗号化されていない公衆無線LANスポットも安心して利用できるというわけだ。
とはいえ、VPNを利用するということは、インターネットからルーター(自宅内LAN)へアクセスする手段が1つ増えることになる。通信経路の暗号化とはまた別ベクトルのリスクを抱えることになるので、その心構えもお忘れなく。
製品名 | 製造元 | 購入場所 | 購入価格 |
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WN-AC1600DGR2 | アイ・オー・データ機器 | ヨドバシカメラ | 1万1310円 |