本日の一品

自転車用スマートフォンホルダー4種を試してみた

 最近まで「ドコモ最新4機種の実力検証」という企画をやっていて、4種類のスマートフォンとともに自転車で走り回っていた。で、スマートフォンを自転車に装着するにあたっては、当然ながら専用のホルダーが不可欠。自転車用品店に駆け込んで、いろいろなタイプのホルダーを見繕ってみたところ、やっぱり使い勝手にけっこう差があるなあと実感したのだった。

4種類の自転車用ホルダーを試してみた

 具体的にどんな製品を使ったかというと、Movaicsの「Smart phone Holder」、MINOURAの「Phone Grip」、ユニコの「B.free スマホルダー」、TOPEAKの「SmartPhone DryBag 5"」と「RideCase Mount」のセットの、計4種類。一品ならぬ“四品”になってしまうが、それぞれどんな使い勝手だったのか簡単にまとめてみたい。

 まず1つめのMovaics「Smart phone Holder」は、端末のサイズに一番寛容な製品。サイドから挟み込むタイプで、実測では最大98mmほどの幅まで広げてスマートフォンを固定できる。5インチクラスのスマートフォンはもちろん、6インチクラスであっても問題なく使えるだろうし、小さな端末であれば横置きで挟めるかもしれない。アームの根元部分はボール状になっていて角度調整を細かく行え、台座ごと90度回転してスマートフォンを横置きできるので、地図アプリを広く見たい時に好都合。ハンドルへの固定も手でねじ込むだけで、お手軽だ。

 ただし、「挟み込むタイプ」であるがゆえの欠点もある。端末によっては電源やボリュームなど側面にあるハードウェアキーを押す形になってしまい、当たらないように微妙にずらして挟むか、場合によってはどうしても大きくずらさなければならず、安定した位置で固定できないこともある。製品本体がゴツく、取り付け位置を確保するのに苦労するケースも多い。

Movaics「Smart phone Holder」
最大開口幅は98mmくらい
最小開口幅は37mmくらい
ハンドルにはネジを手締めして固定。根元がボール状になっていて角度調整の自由度は高い
挟み込む際にはサイドのキーを押さえつけてしまわないか注意が必要
サイドキーの干渉を考慮すると、ずらして固定しなければならない
横向きにすることも可能。ただ、ずらし具合によっては脱落しないか不安

 2つめのMINOURA「Phone Grip」も、横から挟み込むタイプ。こちらの最大開口時の幅は実測75mmくらいで、6インチ以上の端末は無理っぽいけれども、5インチクラス以下であれば問題なし。挟み込むタイプでありながらも、端末サイドに当たる部分の面積がMovaicsのものより少なく、湾曲していたりもするので、ハードウェアキーが押されることは少ない。六角レンチが必要になってしまうが、台座の向きを自由に変えられるようにもなっている。

MINOURA「Phone Grip」
最大開口幅は75mmくらい
最小開口幅は53mmくらい
中央のネジを六角レンチで緩めれば、横や斜めに向きを変えることもできる

 次にユニコの「B.free スマホルダー」。スマートフォンをゴムバンドで巻いて固定するタイプだ。最も安価で、サイズも軽量、コンパクト。取り付けはマジックテープですごく簡単ではあるのだけれど、このマジックテープだけで済ませようとすると、しっかり固定できない。ハンドルにいくらきつく締めても、スマートフォンの重みと走行中の振動が合わさってホルダーがずるずる滑って回り、そのたびに手で向きを直さなければならないほど。なんらかの回り止めを追加したいところだ。

 また、このゴムバンドも端末のサイドにあるハードウェアキーを押す形になるので、巻く位置をよく考えなければならない。だからといってキーを避けて巻くと、今度は画面のど真ん中をゴムバンドが通過することになり、画面操作の妨げになるのが困りものだ。

ユニコ「B.free スマホルダー」
スマートフォンは2つのゴムバンドで固定。予備のゴムバンドもさらに2つ付属する
ハンドルにはマジックテープで巻き付ける
走行中に振動でどんどん頭下がりになっていくことが多い
GALAXY S4を固定した例。画面のほぼ中央を横切るゴムバンド
サイドキーを避けるようにすると、どうしてもこの位置に……

 最後のTOPEAK「SmartPhone DryBag 5"」と「RideCase Mount」のセットは、防水対応のケース型ホルダー。ステムのトップキャップを交換して取り付ける方法と、パイプに固定する方法の2通りの使い方ができるのが特徴となっている。トップキャップに取り付ける方法では、ハンドルのまさにど真ん中にスマートフォンを固定できるので、見やすさは間違いなくナンバーワン。もちろんケースの上からでもタッチ操作可能だ。

 問題は対応可能な端末のサイズだろう。「ELUGA X P-02E」(幅約68mm)や「GALAXY S4 SC-04E」(幅約70mm)など、5インチクラスの端末だとケースの横幅がギリギリで、ぎゅうぎゅう詰めになる。サイドキーが押されるまでにはならないけれど、サイドキーが隠れてしまって見えないので、フロントにキーのない端末はディスプレイをオン・オフする時、ボリューム調整する時などに手探り状態になるのが面倒。2つのパーツをセットで使わなければならず、お財布に優しくないのもネックではある。

TOPEAK「SmartPhone DryBag 5"」と「RideCase Mount」のセット
ステムのトップキャップに固定可能
「RideCase Mount」は角度調整でき、ライディングポジションに合わせられる
GALAXY S4を入れると横幅がかなり窮屈
iPhone 5だと余裕。サイドキーも見える

 これら4種類のホルダーの特徴を表にしてみると、以下のような感じ。端末の縦横サイズ、ハードウェアキーの位置、ハンドル回りの取り付けスペース、端末が防水対応か否かなどを考えつつ選ぶべきだと、改めて思った。

ホルダー4種の使い勝手等を表で比較
製品名製造元購入価格
Smart phone HolderMovaics2480円
Phone GripMINOURA2999円
B.free スマホルダーユニコ1365円
SmartPhone DryBag 5"TOPEAK2730円
RideCase MountTOPEAK3150円

日沼諭史