本日の一品

コントローラよりちっちゃいクラウドゲーム機「G-cluster」

クラウドゲーム機 「G-cluster」。パッケージの表記によると、製造元はディーリンクジャパン。コントローラ付属モデルの希望小売価格は1万3800円

 「G-cluster(ジークラスタ)」は、映像配信サービスなどを手がけるブロードメディアが6月に発売したテレビ接続用の据置型ゲーム機だ。ただし、ハイエンドなゲーム機とはちょっと違う。ゲーム系の処理はすべてサーバー上で行い、G-cluster側ではおもに表示のみを行うという、クラウド型のゲーム機なのだ。サービス料金はは月額525円など複数の種類が用意されている。

 その処理系の面白さが最大の特徴ではあるが、オールドゲーマー的な視点で驚かされたのが、本体の小ささ。手元の定規でザッと測ったところ、外形寸法は49×85×14mm(幅×奥行き×高さ)。重量も50gほどだった。テレビ本体に両面テープで貼り付けられるホルダーが同梱されているのも納得のサイズ・重さである。

 また、接続端子類もかなり割り切っている。まず映像系はHDMIのみ。USB端子は、コントローラー用無線アダプターを接続するAタイプの端子と、電源用のmicroUSB端子の2つ。インターネット接続は無線LANで行うため、有線LAN端子はない。さらに、USBバスパワーで動作してしまうので、ACアダプターも付属していない(テレビのUSB端子から給電できるよう、USBケーブルは同梱される)。

 ここまでくるともう、ゲーム機と言うより、HDMI接続のスティック型Android端末の感覚。それゆえに「新しいゲーム機が出るけど、もうテレビの周りに設置スペースがないよ。それにまた電源タップのタコ足が増えるよ……」といった心配はない。

本体は非常に小さい。パッケージに同梱されるコントローラーと比べても、このサイズ
HDMIとコントローラー接続用USB端子

 機器のセットアップには、専用のスマートフォンアプリを使う。iOSのApp Storeか、AndroidならGoogle Playで無料ダウンロードできる。設定用スマートフォンとG-clusterが同一のネットワークに接続していれば、画面の指示に従うだけで準備完了となるはずだ。また、このアプリは、G-clusterでゲームを楽しむ際のコントローラーとしても使える。

 さて、肝心の操作感である。まず、ゲームソフトのインストールが不要で、すぐにゲームが楽しめる点は非常にいい。カジュアルゲームならともかく、「イース I&IIクロニクルズ」のような大規模なゲームがインストールなしで動くのはすごい。基本的にどのゲームも10分まで無料で体験プレイができ、メニューから選ぶだけですぐに動作する。

 一方、キー入力から実際に画面が反応するまでのラグは、多少なりともあると感じた。麻雀や将棋のようなゲームではほぼ気にならないが、例えばシューティングゲームでの自機移動であるとか、右スティックでカメラ操作するアクションゲームでは影響を感じた。ただ、テレビ側の表示遅延や、無線LANのリンク速度なども関係してくるとは思う。

 G-clusterは、月額525円の定額料金で約30タイトルのゲームが遊び放題になる。これだけでかなりのゲームが遊べるとは思うが、より本格的な作品については個別課金だ。例えば「アサシン クリードII」(英語版)は年額1575円、48時間で420円など。価格的に「もう一声!」というのが筆者の本音である。もちろん、作品ラインナップのさらなる拡大も、今後は重要になってくるだろう。

メインメニューをテレビ画面に表示したところ
映像の精細感はこんな感じ
製品名製造元購入価格
G-clusterブロードメディア1万3800円(本体)

森田 秀一