本日の一品
模型のお供に防毒マスク
(2013/3/25 06:00)
久しぶりに模型の趣味を再開した。ここでいう模型とは、プラスチックキットを中心に、自動車、飛行機、戦車などのスケールモデルを組み立てること。学生時代には「ガンプラ」をせっせと作っていた記憶はあるが、歳を取ったせいか、戦車や戦闘機といった、実在する車両や機体の説得力溢れるディテールに、より惹かれるようになったようだ。模型を再開するにあたって道具から揃え直したのだが、カメラやオーディオなどの趣味と比較すれば安価に揃えられる(始められる)のはありがたい。
模型雑誌も久しぶりに買い、塗装のテクニックなどを復習していたところ、学生時代には揃えていなかったアイテムを見かけた。それが今回紹介する防毒マスクだ。組み立てれば配色も含めてほぼ完成する最近の「ガンプラ」とは異なり、スケールモデルでは、接着剤の使用や、さまざまな種類の塗料を使った塗装が必須だ。塗料やうすめ液に使われるシンナー系の液体は、基本的に有毒。使用時間や換気の具合で人体への影響度は異なるが、長時間の作業になるなら、やはりマスクを着用したい。
実際に大型の販売店で模型コーナーに行くと、塗装用として防毒マスクが販売されている。一般的なマスクの形を分厚く、固くしたような製品のほかに、吸収缶を装着し交換することで繰り返し使える本格的なものまである。有毒ガスを浄化する防毒マスクといっても、ガスの種類に合わせてさまざまな製品があるので、ホームセンターなど模型コーナー以外で購入する場合は、シンナーなど有機ガスに対応した製品(吸収缶)を選ぶ。
今回購入したシゲマツの「GM31」は、吸収缶を1つ装着する低濃度用で、直結式小型と分類されている。同社の防毒マスクの中で最軽量という製品で、長時間装着しても負担になりにくいの有り難い。ベルトは適度に伸縮性があり、首の後に位置するバックルを利用しワンタッチで着脱可能だ。交換用の吸収缶のほかに、ベルト、排気弁、吸気弁など、マスク本体の交換部品もしっかりと用意されているのは、防塵・防毒マスクの専門メーカーならではだろうか。
装着時は、吸収缶のスリットにフタをして吸入できないようにし、密着性を確認しておく。ここで鼻の脇などからプス~と空気が漏れていると、隙間から呼吸ができてしまうことになるので、マスクの効果が薄れてしまう。呼吸のすべてが吸収缶を通るようにしなければいけないのだ。しっかり装着できていると、接着剤や塗料のビンを近くで開けても、一切の臭いがしなくなる。浄化された後の空気やマスク自体にも臭いは無いので、普段よりもクリーンな空気を吸っている印象すらある。これはこれである種の危険を察知できないのでは……と最初は不安になってしまったほどだ。
注意したいのは、密封パッケージから取り出した吸収缶には使用期限があるということ。使用時間や有毒ガスの濃さにもよるが、使用とともに浄化能力は落ちていくので、規定の時間を経過したら交換する必要がある。また、今回購入した吸収缶で浄化できるのは有機ガスのみなので、スプレーやエアブラシによって霧状になって舞い上がった塗料そのものの吸入も防ぎたい場合は、防塵対応の吸収缶を選ぶ必要がある。
装着時の見た目が物々しいので使用がためらわれるアイテムだが、健康を損なう趣味にしないためにも導入をおすすめしたい。
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
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防毒マスク「GM31」 吸収缶「CA-1P1/OV」セット | 重松製作所 | 2300円 |