本日の一品
新生活にテレビ機能付きタブレットを
(2013/3/22 06:00)
夜、自宅に帰ったら、とりあえずテレビをつける、というクセがついてしまった。2~3年前までは壊れかけのブラウン管テレビしかなく、ほとんど電源を入れることもなかったのに、地デジ対応のテレビを買ってしまうともう歯止めがきかない。取り立てて見たい番組がなくても、なんとなくだらだら見続けてしまう。時間と電気をすごく無駄にしているという自覚はある。けれど幸せな時間でもある。
そんな日常生活の中で不満に感じつつあったのが、リビングからちょっとだけ離れた対面式キッチンで何かしていると、リビングにあるテレビの内容がほとんどわからないこと。3~4mも離れれば小さく感じてしまう37インチのテレビで、料理や皿洗いをしているときの音もあり、映像は見にくく、音声は聞こえにくい。だからといって音量を上げると近所迷惑にもなりかねない。いい解決方法がないか悩んでいたところに、我が家のキッチンに新たな仲間が加わったのである。それが「LifeTouch L ワイヤレステレビチューナセットモデル」だ。
「LifeTouch L ワイヤレステレビチューナセットモデル」は、もともとNECが以前から単体で販売していたWi-Fi専用のAndroid 4.0タブレットである「LifeTouch L」に、地デジ・BSデジタル・110度CSデジタルの3波を受信できるチューナーボックスをセットにしたもの。タブレットとチューナー間はWi-Fiで接続し、ワイヤレスでテレビ番組を楽しめるのだ。
タブレット自体は1.5GHzのデュアルコアCPU、1GBメモリ、32GBのストレージを搭載し、10.1インチディスプレイながら7.99mmという薄さで、コンパクトかつシンプルなデザイン。このチューナーとのセットモデルでは、32GBのmicroSDカードも最初から同梱されているので、ストレージの合計容量は64GBとなり、スペック的にも、使い勝手においても、かなり満足度は高い。ただし防水性能はないので、水しぶきがかかりやすい場所にはできるだけ置かないほうがよさそう。キッチン周りで使うときは慎重に扱いたい。
一方のチューナーは、「LifeTouch L」本体のカラーや他の家電と組み合わせても違和感のない真っ白な筐体。AppleのMac miniより一回り小さいくらいのサイズとなっている。これにアンテナケーブルとACアダプターを接続し、ルータとはLANケーブルで接続すれば準備OK。録画機能も利用したい場合は、背面に用意されているUSBポートに外付けHDDを取り付けておく。
あとはタブレット側で、プリインストールされている「テレビ設定」アプリを使ってチャンネル設定などを行うだけ。気をつけておきたいのは、標準設定ではチューナーの“動作モード”が“スタンドアローン”になっていること。このままだとタブレットからチューナーにWi-Fiで直接接続する形になるので、インターネットにアクセスできない。インターネットにアクセスできないと後述のテレビ番組表にもアクセスできず、予約録画が行えない。
なので、最初にチューナーへ直接接続した後は、「テレビ設定」の“Wi-Fi設定”内で“自動判別”をオフにし、“動作モード”を自分の環境に応じて“アクセスポイントモード”か“ステーションモード”にしておく。こうすれば、普段使っている宅内無線LAN経由でチューナーにもアクセスでき、いつも通りネットを楽しみながらテレビも見る、ということが可能になる。
テレビ映像を視聴するには、DTCP-IP対応のメディアプレーヤーアプリ「DiXiM」を使うことになる。「DiXiM」はGoogle Play Storeからダウンロードすることはできないが、いくつかのスマートフォンやタブレットにプリインストールで提供されているものだ。
さて、実際のテレビ映像はというと、表示されるまでにバッファリングで数秒待たされるものの、かなり美しい画質で見ることができる。チューナー自体はフルHDにも対応しているようだが、「LifeTouch L」のディスプレイ解像度は1280×800ドット。フルHD画質を堪能できないのはちょっと残念ではあるけれども、キッチンや自分の部屋などに持ち込んで見るぶんには十分過ぎるクオリティだ。
視聴中の番組の録画はワンタッチで行え、「Gガイド.テレビ王国」の番組表と連携して、簡単な操作で予約録画も可能。シングルチューナーということで、2番組同時録画や、視聴しながら裏番組を録画するといったことはできないが、留守中や就寝中の録画さえできれば個人的には大満足。どうしても2番組以上を同時録画したくなったときは、リビングのテレビでカバーすればいいだろう。
ちなみに、録画にはUSB HDDを使用することになっているが、余っているHDDがなかったのでとりあえずmicroSDカードにアダプターを装着してUSBポートに挿してみたら、それでも問題なく録画できた。推奨されている使い方ではないのと、書き込み速度の遅いメモリでは正常に動作しない場合もあるので自己責任でお願いしたいが、省スペースな録画機能付きテレビチューナーとして活躍するポテンシャルも秘めている。
また、筆者が以前使用していた「ARROWS X F-10D」にも「DiXiM」がプリインストールされていたので試してみたところ、こちらでも問題なくテレビ番組を視聴できた。録画機能は利用できなかったため、「LifeTouch L」の「DiXiM Player」は微妙にカスタマイズされているバージョンのようだ。同じくDTCP-IP対応のメディアプレイヤーである「Twonky Beam」の有料版でも視聴できるかどうか確認してみたが、Android版、iOS版ともにチューナーからの映像を受信できなかった。やはり「LifeTouch L」で見るのが一番だ。
NECのオンラインショッピングサイト「NEC Direct」でのセットモデルの価格は6万4890円。3月7日には「LifeTouch L」のみを所有している人向けに、チューナー単体の販売も開始され、価格は1万8795円となっている。セカンドテレビを買うかどうか迷っている人だけでなく、4月からの新生活に向けてテレビを買うか、パソコンを買うか、タブレットを買うかで悩んでいる人にもジャストミートの製品ではないだろうか。個人的には、もう少しで生まれてくる子供との不毛なチャンネル争いを将来的に避けられるだけでもありがたいのだが……ちょっと気が早いか。
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
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LifeTouch L ワイヤレステレビチューナセットモデル | NEC | 6万4890円 |