本日の一品

iPhoneでケイデンスとスピードが計れる自転車用センサー

内容物一式。左上がスポークに取り付ける磁石、その右がクランクに取り付ける磁石、中央がセンサーで左下はその固定バンド

 趣味としての自転車を始める場合、たいてい勧められるのがスピードメーターを取り付けることだ。単に速度が算出されるだけでなく、移動距離などもわかるので、より速く、より遠くにというモチベーションにつながりやすいからだ。趣味の範囲であれば通常のメーターで十分なのだが、より効率やフィットネス効果を求めるなら、クランクの回転数、つまりケイデンスを測定することが重要になってくる。それが、5980円という低価格、しかもBluetoothでiPhoneと接続できるというセンサーが発売されたので、早速購入して試してみた。

 購入したのは「Wahoo Fitness スピード・ケイデンスセンサー Blue SC for iPhone」。センサー本体に加えて、クランク(ペダルのついている、チェーンを回転させて動力を伝える部分)とスポークの双方に取り付ける磁石がセットになっている。クランクやスポークの磁石が、フレーム(チェーンステー)に取り付けたセンサーの脇を通過することで、クランク、タイヤがそれぞれ一周したと判別する。

 よくある自転車用速度メーターと違うのは、ディスプレイにあたるパーツがない点。ふつうは、速度や距離などを表示する小型のディスプレイと、それをハンドルに取り付けるための台座がついてくるのだが、本製品ではそれをiPhoneに表示するようになっているためだ。

 パッケージには簡単な製品説明が複数言語で入っているのみで、取り付けやアプリの説明はWebへ、という誘導があるだけ。製品Webサイトも、英語での説明のみとかなりとっつきにくい。これまでに自転車用メーターやセンサーを取り付けた経験のある人なら迷う要素はほとんどないが、経験がなければちょっと困惑するだろう。センサーの取り付けには工具が必要で、2ミリの六角レンチはまだしも、ペダルを取り外すためのペダルレンチが要るのはちょっとハードルが高いだろう。

 とはいっても、ペダルさえはずしてしまえば取り付け自体は非常に容易だ。クランクに磁石を取り付け、スポークにも磁石を取り付ける。チェーンステーの上に、2つの磁石が回転して通過する位置にセンサー本体を調整してくくりつける。どちらの磁石も、センサーから4mmくらいまで近づけないと反応しない。クランク側は本体を傾けて調整し、スポーク側はアームの角度を六角レンチで調整できるようになっている。

 アプリを起動して、Bluetooth機器として認識させてしまえば、あとは走るだけ。アプリ側では速度やケイデンスだけでなく、GPSログも取得するので地図上で記録も確認できる。メーカーではAPIを公開しているので、純正のWahoo Fitnessアプリ以外にも50近くの対応アプリがあり、好みのものを使えるのが面白い。また他のフィットネスサービスに記録をエクスポートすることもできるなど、かなり柔軟な作りになっている。筆者はもっぱら「RunKeeper」に記録を書き出し、便利に使っている。その他、別売りの心拍数センサーも組み合わせて使えるなど自由度が高い製品構成になっているが、対応機種がiPhone 4S/iPhone 5/第5世代iPod touch/iPad(第3・4世代)/iPad miniと、古い機種には対応していないので注意してほしい。

 ほんの数年前までは、GPSロガーや高級な速度メーター、自転車用ナビコンピューターを使わないとできなかったことが、iPhoneと組み合わせることでこうも廉価にたやすく実現できる時代になったのはとてもありがたい。もうすこし暖かくなって、本格シーズンの到来が待ち遠しくなる一品だ。

ペダルを外したクランクに磁石を通す。回転する磁石が通過するようにセンサー本体の位置を調整
スポークにも磁石を取り付け、センサーアームに角度を付けて近づける
公式アプリ、Wahoo Fitnessの画面。別売りの心拍計が付いていないので一部はn/a表示になっている。写真では室内で回していてGPS情報を取得できていないので、方角も出ていない
軽く走ってみた結果。結果はRunKeeperなどのフィットネスサービスに書き出せる
製品名製造元購入価格
Wahoo Fitness スピード・ケイデンスセンサー Blue SC for iPhoneWahoo5980円

ナカムラ