本日の一品

旧端末でビジネスでも使える無線メディアレシーバー「iSenseTV」

「iSenseTV」

 スマートフォンやタブレット内の動画などを大画面テレビに映し出す、そんなデバイスが少し話題になりつつある昨今。DLNAや、規格化されてAndroid 4.2で標準対応となったMiracastがその代表だ。でも、DLNAは仕組みが複雑で使いにくい場合があったり、機器やデータの相性問題なんかもけっこう多かったりする印象。Miracastは各社からテレビに装着する対応アダプタがリリースされ始めているが、送信側のスマートフォンなどは基本的に最新の端末でなければならず、まだまだ対応機種が少ない。

 もっと手軽に大画面で見たいよ-、古い端末しか持ってないんだよー、という向きにぴったりの製品が現れた。それが「iSenseTV」だ。「iSenseTV」本体をテレビに接続すれば、専用のAndroidアプリを介してスマートフォンやタブレット内の静止画、動画、音楽などをテレビ上で再生できるのである。端末から送信したデータをテレビで再生するだけ、という機能に絞っているので、DLNAに比べればずっとシンプルで、使い方も簡単。Miracastのように端末の画面をミラーリングする、というようなことはできないが、なんといっても、対応OSがAndroid 2.3.3以降であるところが最大の魅力。iOSにも対応予定のようだ。

手のひらに乗るサイズ
iPhone 5と比べると、厚みはややあるが、縦横サイズはかなり小さい
パッケージ内容は本体、HDMIケーブル、充電用のUSBケーブルとACアダプタ

 使い方は、「iSenseTV」をHDMIケーブルでテレビに接続し、USBポートや付属のACアダプタから電源を取ったら、Google Play Storeからダウンロードした専用アプリをスマートフォンあるいはタブレット側で起動するだけ。あとはほとんど自動的に「iSenseTV」に接続され、端末内のメディアファイルを選んでテレビ画面上で再生できるようになる。ファイルを選んでから再生が開始するまでは、ちょっとだけ時間がかかり、3~5秒ほど。もちろん新しい端末を使うのもOKだが、機種変更などで使わなくなった古い端末に残っている写真や動画、音楽を改めて大画面で見直したいときにもバッチリだ。

 いったん専用アプリを終了させれば、他の端末からもすぐに接続して使えるので、家族や友人それぞれの端末でお互いのデータを見せ合いっこする、というのもいい。残念ながら筆者には環境がないので試せなかったが、接続については、WPSに対応した無線LANルーターを所有しているなら、ルーターと「iSenseTV」のボタンを押すだけで接続準備が完了し、端末側で再生したYouTubeの動画も映し出せるようになって、さらにいろいろ楽しめる。

「iSenseTV」アプリを起動するとほぼ自動で接続
端末内の写真、音楽、動画を再生可能。WPS対応ルーターがあればYouTubeの動画も見られるようだ
写真を一覧したところ
動画と音楽の再生中は一時停止、早送り、巻き戻し、ボリューム調整もできる
音楽再生中のテレビ画面の方はこんな風にジャケット画像とタイトルが出る

 こういうのは家庭向け機器というイメージが強いかもしれないが、実は個人的なおすすめは職場での活用。職場にはおそらくテレビは置いていないだろうが、PCモニターならある。特にHDMI端子が2つ以上ついているモニターなら、モニターに「iSenseTV」を常時つなげておいてもPCの利用に不都合はない。スマートフォンで撮影した会議の白板メモや資料なんかを自分の席のモニターにすぐに映し出して確認する、といったことに使えたり、打合せスペースにあるモニターに前回撮影しておいたメモ資料を映しておけば、議論がまとまりやすくなる、ということもあるかもしれない。

職場のPCモニターを活用するのもおすすめ
スマートフォンで撮影した写真を大画面で見やすくチェックできる

 ちなみに、対応している動画解像度はフルHDの30fpsまで。スマートフォンで撮影したフルHD動画であれば問題はないが、アクションカム「GoPro HERO3」で撮影した動画をスマートフォンに移して再生してみたところ、ビットレートが高いせいでネットワークの通信速度が追いつかないのか、途切れがちになってしまった。また、60fpsだとスローモーションになってしまうので注意したい。あと、少し残念なのは、今のところ手動でファイルを1つずつ選択して再生するしかない点。スライドショー機能があれば大画面のフォトフレームのようにも使えてさらに面白そうなんだけれども……。ほぼOSの機能として搭載されることになるMiracastより、「iSenseTV」はアプリとして小回りの利く対応ができそうなので、今後の機能アップにも期待している。

製品名販売元購入価格
iSenseTVアドバンスト・コミュニケーションズ1万1800円

日沼諭史