本日の一品

17台のスマートフォンが入るリュックタイプのカバン

 最近は日本でもMVNO事業者のSIMカードが安く契約できるようになってきた。機種変更したり中古で買ったスマートフォンにそれらをSIMを入れて2台運用、3台運用することも現実的になってきている。また海外ではプリペイド販売のスマートフォンが増えており、筆者も取材の折には現地でついついスマートフォンを何台も買ってしまう。

 しかし持ち運ぶスマートフォンの数が増えれば、その収納に悩んでしまうものだ。ましてや最近のスマートフォンはバッテリーの持ちが心持たないものも増えているため、外部バッテリーも持ち運ぶなどするとカバンの中はケーブルやらアダプタやら、様々なモバイルグッズでいっぱいになってしまう。

 となると欲しいのがスマートフォンサイズのポケットがたくさんついているカバンではないだろうか? ところがなかなか「これだ!」と思えるものが見つからない。ポケットサイズがスマートフォンに適していなかったり、素材の厚みが薄くてスマートフォンを入れるには心持たないものなど、スマートフォン複数持ち運びに適したバッグを探すのは困難を極めていたのだ。

 そこで思い切ってスマートフォンの持ち運びに適したカバンを作ってみた。筆者の居住する香港は、世界の工場・中国の深セン市に接している。IT製品から衣料品まで様々な工場が軒を連なる深セン、設計図さえ見せればあらゆるものを製造してくれる企業がいくらでもあるのだ。とはいえ相手は工場だけに1個や2個では相手にしてくれず最低でも数百個、というオーダー量が必要になる。だが大量生産するだけにコストは意外と安くあがるものだ。

筆者自ら中国の工場で作ったリュックタイプのバッグ

 作成したのはリュックタイプのカバンだ。背中部分には3×3と9個のポケットが並び、上段は4インチ以下、中段と下段は5インチクラスのスマートフォンが入るサイズにした。iPhone 5はもちろん、GALAXY NoteやNote IIなどの大型端末も収納できる。また大き目の外部電池やWi-Fiルーターも楽々収納可能だ。一般的な利用ならこの9個のポケットだけでも十分かもしれない。

 しかしせっかくなら左右のスペースも無駄にしたくない。そこで側面にも3段、さらには上部にも2個と合計17個ものポケットを備えることにした。さすがに17台ものスマートフォンを一度に運ぶ機会はなかなかないだろうが、普段持ち運ぶ身の回りのグッズを入れてみるとあっという間に17個のポケットは埋まってしまうものだ。

スマートフォンやアクセサリなどこれだけのものが収納できる
どこに何を入れたか忘れてしまうのはご愛嬌

 また内部にはノートPCを収納するスペースと、上下に2つの中型のポケットも作った。サイドバッグなどを上下に入れることができるためデッドスペースも無くバッグの中を有効利用できる。バッグの外と中にモバイルグッズを詰め込むと総重量は10kgくらいになることもあるが、肩紐は太くし肩の負担を少なくなるようにもしている。まぁこのあたりはPCバッグ専門の工場に生産をお願いしたので、バッグの大きさから適度な肩紐の幅を先方で選んでくれたのだが。

 これだけポケットの多いリュック、使うと目立ってしまうと思いきや、黒とシルバーのモノトーンカラーのためか意外と街の景色に溶け込んで見えるのではないだろうか? 実際に使う際はポケットのいくつかは空にしておき、コンビニなどで買物した小物を空いたポケットにすぐいれる、なんて使い方も便利だろう。カバンの中が小物だらけで整理のつかない人にもお勧めできると思う。

 自分が使いたいものが無ければ手軽に中国の工場にオーダーできるのは、香港居住のメリットの一つと筆者は感じている。

内部は大きめのポケットでデッドスペースを無くしている
香港の街中を歩いていても目立たない?
製品名製造元購入価格
博士も喜ぶスマートバッグ山根康宏6480円

山根康宏

 香港在住。中国をはじめ世界中のモバイル関連イベントを毎月のように取材し、海外の最新情報を各メディアで発信している。渡航先で買い集めた携帯電話は1000台以上、プリペイドSIMカードは500枚以上というコレクターでもある。