山登りで大活躍! 抜群の機動力を発揮するカメラホルダー


「capture CAMERA CLIP SYSTEM」

 仕事用の一眼レフカメラはあっても、プライベートではまともなデジカメを持っていなかった筆者。夏休みに屋久島へ遊びに行くのに合わせて、手軽に写せるコンデジでも買っておこうか、と思って家電量販店に出かけたが、気がついた時にはソニー「NEX-7」を手にしていた。これはコンデジじゃない、ミラーレス一眼だ。仕事用のニコン「D7000」よりは小さいけれど、とてもポケットになんか入らない。

 屋久島に行く一番の目的は、樹齢数千年と言われる縄文杉を見ること。屋久島はさほど大きな島ではないが、それでも縄文杉のあるところは深い山奥で、一般的な登山道を使った場合は往復10時間もかかる。わりと本気の登山道だ。道々写真を撮りつつ歩きたいと思っていたのだが、コンデジならまだしも、それなりに重量のある一眼カメラを手に持って、あるいは首から提げて、10時間もテクテク山歩きを続ける自信はない。ということで導入したのが「capture CAMERA CLIP SYSTEM」というカメラホルダーなのだった。

 「capture CAMERA CLIP SYSTEM」は、必要時にさっとカメラを手に取って撮影し、撮影が終わったら再びささっと元に戻すことができる、特殊な形状のカメラホルダーだ。大まかに見ると、ベース部分とクイックシュー部分の2つのパーツに分かれている。ベース部分は、腰のベルトやリュックサックのショルダーベルトなどへ、ベルトを挟む格好で取り付ける。もう一方のクイックシュー部分は、カメラ側の三脚穴に装着する。ベース部分にクイックシューをスライドさせるだけで、カシャッと固定でき、外したいときは赤いボタンを押し込みながら引き出せばOK。ベースに固定されている間はもちろん両手はフリーになり、シャッターチャンスが訪れた時はすばやくベースから外し、カメラを構えて撮影できる、というわけ。パーツの大部分が削り出しのアルミで、想像以上にずっしりしているとはいえ、高級感と安心感はすばらしいものがある。

 今回の屋久島登山では、本製品をリュックサックのショルダーベルトに取り付けて、胸のあたりにカメラを固定したところ、険しい山道を歩いているときでも邪魔にならず、辛くなるような重さを感じることもなかった。山道を快適に歩きつつ、撮りたい場面に出くわしたらシャキンッとカメラを構えて撮影! 終わったらまたシャキンッと装着! という機動力の高さを一度体験すると、もうこれなしではアウトドアに出かけられない、と思えるほど。歩く、撮る、歩く、撮る……の繰り返しが全然苦にならないのだ。

 唯一の欠点というか、注意しておきたいのは、カメラケースなどと一緒に取り付けられない場合が多いこと。カメラがむき出しになってしまうので、雨などで濡れないようにする必要がある。防水カメラなら問題ないが、今回携行した「NEX-7」は防水仕様ではなかったため、雨が降り始めたらリュックサックにしまわなければいけなかった。特に夏の屋久島は雨季らしく、降ったり止んだりが1日の間に頻繁に繰り返される。もとより山の天気は変わりやすい、と言われていることもあるから、そもそも山に持って行くなら防水・防滴対応カメラの方がいいのかもしれない……。スタイル的にカメラストラップを取り付けるのは無粋だと感じたが、ストラップを付けない場合は、手に持ったときにカメラを取り落とさないよう気をつけたい。

 山登りだけでなく、イベント取材にも使えそうだし、これからもガシガシ使いまくるつもりだ。ビデオカメラにも使用でき、インドア・アウトドア問わず我が子の活躍を余すところなく映像に収めたいパパ、ママにもおすすめ。三脚用のねじ穴があるウェアラブルカメラを体に固定する、というときにも便利そうで(ちょっと揺れそうだが)、わりと幅広く応用できるんじゃないだろうか。


大まかにはクイックシューとベースの2つにパーツ分かれる2枚構造になっているベースを開いて、ベルトなどを挟み込んで使用する
赤いボタンを押し込めば、クイックシューをスライドして取り外せる赤いボタンの誤操作による落下を防止する“TWIST LOCK”機構も備えているので安心
リュックサックのショルダーベルトに取り付けたところやや不安定に見えるかもしれないが、派手に揺れることもなく、歩きに支障はない
突然現れた動物にも即座に対応して激写!もちろん最終目的地の縄文杉もバッチリ

 

製品名製造元購入価格
capture CAMERA CLIP SYSTEMpeak design8900円

 

(日沼諭史)

2012/9/26 06:00