SDカードに無線LAN親機とNASが詰まっている「FlashAir」


「FlashAir」。見た目はただのSDカード

 東芝から出た「FlashAir」は、無線LANアクセスポイントと8GBのNASがSDカードサイズに入ってしまい、それだけでLANが構成できるという。そのすごさに驚いた勢いで買ってしまった。

 使い方は、デジタルカメラに挿入して、カメラの電源を入れておく。すると無線LANアクセスポイントとして動作をはじめるので、無線LAN付きのパソコン、スマートフォンなどから接続してサーバーのアドレスにアクセスし、カード内の画像などを閲覧する。これだけだ。設定といえば、最初の接続の際、無線LANのセキュリティ設定をすることを強く促され、それを設定する程度。

 保存された内部のファイルにはWebブラウザからアクセスするようになっており、Windowsネットワークのファイル共有ではない。そのかわり、スマートファンからのアクセスが容易で、撮った画像をすぐに端末にダウンロードすることも可能。しかも複数のスマートフォン・パソコンなどから同時にアクセスもできるようになっている。

 実際に使いはじめてみると、デジタルカメラから確保するわずかの電源とためと、カメラの中に収納されてしまうため、電波の飛びはあまり良くない。しかし、至近距離なら問題なく、外出先で写真を撮りながら、パソコンへ取り込むときに便利さを実感する。

 似たようなものに「Eye-Fiカード」があるが、Eye-Fiを外出先で使うとなると、モバイルWi-Fiルーターと接続したり、無線LANの親機がないなら、パソコンとの間は特別な設定が必要となる。その点「FlashAir」ならノートパソコンの無線接続先設定を1つ追加するだけでよい。カード内のデータを利用するためのアプリも不要。FlashAirに接続しているときはインターネットとの通信はできないが、画像を受け取ったらすぐに接続先を変更すればよい。

 誰でも楽しめる機器のはずだが、届いて驚いたこともある。パッケージがふつうのSDメモリーカード並みの簡素なもので、説明書も注意書き程度のものと、補足の紙が1枚あるだけなのだ。「Eye-Fi」が立派な箱に入っているのと対照的。それほどシンプルで単純な機能だからなのかもしれないが、無線LAN接続が苦手な人は戸惑うのではないだろうか。

 とはいえ、非接触でメモリーカードに触れずにデータが取り出せるのは非常にありがたい。画像ファイル以外にも使えば、応用範囲は広いかもしれない。取り出す必要がないから、夏に向けて、防水デジタルカメラを使うときにも便利だ。今後、デジタルカメラ以外にも活用が広がりそうで、有効に使っていきたいと思う「FlashAir」なのだ。


パッケージは信じられないほど簡素説明書はパッケージのボール紙に注意書き程度で、1枚の別紙に簡単な使用法が載っている
スマートフォンのブラウザでアクセスするカメラによっては画像のサムネイルが表示される。画像を表示してダウンロードできる

 

製品名製造元購入価格
無線LAN搭載SDHCメモリカード FlashAir東芝6980円

 

(江須田)

2012/4/6 06:00