手軽に贅沢が味わえるエスプレッソマシン


幅11.1cm、奥行き32.6cm、高さ23.5cm。とてもコンパクトなエスプレッソマシンだ

 以前から気になっていたエスプレッソマシンを購入した。コーヒーメーカーとしては少々値の張る品なので、あちこちで情報を集めて検討した結果、ネスレのネスプレッソシリーズに注目。その中から幅11cmあまりと非常にコンパクトな「ピクシー」を選んだ。

 ピクシーの特徴は、一般的なコーヒー粉ではなく、ネスプレッソマシンに合わせた「グラン・クリュ」と呼ばれるカプセルを使うという点だ。筆者が購入した時点では16種類が用意されていて、それぞれ異なったコーヒー粉が封入されている。どれを選んでもクオリティの高いエスプレッソが楽しめるのは専用品ならではだろう。

 カプセル方式を採用しているため、ピクシーの取り扱いは非常に簡単だ。まずタンクを水で満たして電源を入れる。30秒ほど待ってヒーターが暖まったら、U字形のレバーを引き上げ、開いたスロットにカプセルをセット。レバーを引き下ろしてスタートボタンを押すとカップにエスプレッソが注がれる。抽出中は低いブザーのような動作音が耳に付くが、数十秒程度の短時間なので騒音と感じるほどではないだろう。

 レバーを引き上げると、使用済みカプセルは、カップの受け皿の向こう側(本体側)にあるコンテナに落とし込まれる。湿ったコーヒー粉が飛び散ることはなく、手を汚さずにまとめて処分できる構造だ。使用後は受け皿ごと取り外してカプセルを捨て、さっと水洗い。あとは数カ月おきに専用洗浄剤による湯垢落としを行うだけである。

 専用マシンと専用カプセルという組み合わせは、コーヒー豆の種類やブレンド、煎り方、挽き方、淹れ方といったノウハウを必要としない。ユーザーはカプセルの種類を選び、抽出量を調整するのみ。時間と手間をかけずに専門店と変わらないレベルのエスプレッソが自宅で楽しめるのである。まるでケータリングサービスを利用しているような贅沢な気分にさせてくれるのが大きな魅力だ。

 専用カプセルは百貨店などにあるネスプレッソブティックで入手できるほか、通販サイトや電話での注文が可能。カプセル1個(1杯分)あたりの単価は70円から80円ほどだ。筆者の場合は消費量が多いため、カプセルでそれなりの出費は覚悟していたのだが、ピクシーを使いはじめてから、街のコーヒーショップを利用する機会が減った。今ではすっかり“家飲み派”だ。少々思い切った買い物ではあったが、この分なら遠からず元が取れてしまいそうである。


奥の凹み部分が電源スイッチ。手前にある2つのボタンで抽出量をコントロールするU字形レバーを引き上げるとスロットが開く。専用カプセルは横倒しでセットする
40ccのエスプレッソなら30秒ほどでできあがる。短時間なので動作音は気にならない使用済みカプセルは下のコンテナに排出。受け皿と一緒に取り出して簡単に処分できる
製品にはカラフルなカプセル16種類が付属。これを並べておくだけでも楽しめそうだ

 

製品名製造元購入価格
ネスプレッソ ピクシー C60REネスレ1万9740円

 

(サイトウシゲキ)

2011/11/9 06:00