節電USBハブでテレビ録画の待機電力を削減
節電USBハブ「BSH4AE06」 |
夏の節電は一段落したと思ったら、もう冬の節電が話題になっている。しばらくこの節電ブームは続きそうだ。
筆者は2年ほど前から個人的な事情で節電を行ってきた。テレビの消費電力を細かく調べてみたところ、テレビ本体の待機電力は極めて少ないが、録画用に接続しているUSBハードディスクの待機電力が思ったより多いことが気になっていた。
筆者が使用しているテレビはREGZAの「37Z1」。カタログスペックでは消費電力が169ワット、待機電力が0.12ワット。ワットチェッカーで実測してみると視聴時の明るさによって消費電力は大きく異なり、バックライトを目一杯明るくすると136ワット、暗めにすると65ワットくらいに減少する。
バックライトの明るさで消費電力は大きく異なる |
待機電力は、ワットチェッカーの最小表示単位が1ワットなので、0.12ワットは少なすぎて実測できない。待機電力が仮にカタログスペック通りの0.12ワットだとすると、1日6時間視聴、18時間待機の場合は以下のようになる。
0.12×18×30=64.8ワットアワー 1カ月の電気代=0.14円
※1kワットアワー=22円で換算
ちなみに64.8ワットは1200ワットのエアコンやドライヤーを6.5秒使用した場合の消費電力と同じだ。毎日毎日コンセントを抜いても、期待するほどの節電効果はないと考えられる。とはいえ10万台、100万台の規模でテレビのコンセントを抜けばそれなりの効果はあるので、コンセントを抜くことが面倒でない方は継続すればいいだろう。
テレビ本体の待機電力は少ないが、録画用に接続しているUSBハードディスクを実測すると視聴時、録画時に8ワット、待機電力は3ワット。予約した録画の場合はテレビが29ワット、USBハードディスクが8ワット。テレビは画面が消えていても意外と消費電力は多い。
テレビ本体 | USBハードディスク | 合計 | |
視聴時 | 65ワット | 8ワット | 73ワット |
録画時 | 29ワット | 8ワット | 37ワット |
待機時 | 0.12ワット | 3ワット | 3.12ワット |
3ワットの待機電力は目くじらを立てるほどではない。電気代に換算しても1カ月で36円だが、主役のテレビが0.12ワットなので、脇役のハードディスクで3ワットは気分的によろしくない。
このUSBハードディスクはケースがMARSHALの「MAL-2635S」、内蔵のドライブは3.5インチでWesternDigitalの「WD20EARS(2TB)」だ。解決策としてはUSBバスパワー駆動が可能な2.5インチハードディスクに変更する手がある。こうすれば駆動時の消費電力は2.5ワット以下、待機時はテレビのUSBポートからの電源供給がカットされるのでゼロとなるが、2.5インチにすると記憶容量が最大で1TB、現在の2TBの半分になってしまう。「いつか見よう」と録画を溜め込む収集癖がなければ解決するが、やっぱり「いつか見たい」のである。
「BSH4AE06」の背面 |
そんな、記憶容量と消費電力の削減を両立してくれたのが、バッファローコクヨサプライから発売された節電USBハブ「BSH4AE06」だ。このハブはパソコンやテレビの電源がオフになると、USBハブの先につながった機器への電源供給を99.9%カットしてくれる。
接続はこうだ。テレビに節電USBハブ「BSH4AE06」をつなぎ、このハブに2.5インチと3.5インチのUSBハードディスクを接続する。普段の録画は2.5インチハードディスクに行い、3.5インチハードディスクは電源をオフ。これで普段の視聴と録画時は節電USBハブと2.5インチハードディスクが稼働し消費電力は4ワット(実測値)。待機時はゼロとなる。
テレビ本体 | USBハードディスク | 合計 | |
視聴時 | 65ワット | 4ワット | 69ワット |
録画時 | 29ワット | 4ワット | 33ワット |
待機時 | 0.12ワット | 0ワット | 0.12ワット |
2.5インチハードディスクの容量がいっぱいになったら「いつか見よう」という番組を3.5インチハードディスクにムーブすればいい。ムーブ時の消費電力は13ワット。要する時間は1時間の地上波番組で9分半くらいだ。ムーブ時にテレビの消費電力の増加はなし。ムーブを開始した後は、テレビをリモコンでオフにしてもムーブは継続される。「いつか見たい」と思いたって3.5インチハードディスクに録画された番組を見るときは2台のハードディスクが稼働するので消費電力は11ワットとなる。
たまに行うムーブ時の消費電力を無視すれば、視聴、録画時で4ワット、待機時で3ワットの節電となった。電気代に換算すれば1カ月で50円程度だが、気分的な満足度は高い。電気代の節約が目的の方にはお勧めできないが、筆者のように、電力が無駄に高いのは気分が悪いと思っている人や、小さな節電が重要と考える人は参考にしていただきたい。
製品名 | 製造元 | 購入価格 |
USB2.0ハブ 4ポートタイプ節電モデル「BSH4AE06」 | バッファローコクヨサプライ | 1554円 |
2011/11/8 06:00