microSD内のオフィス文書を単体で出力できるモバイルプロジェクター


本体は高級感のあるブラック

 サンワサプライのモバイルプロジェクター「400-PRJ007」(サンワダイレクトのみで販売)は、パソコンを必要とせず、単体でmicroSDカード内の写真や動画を再生・投影できる製品だ。Officeビューアを内蔵しており、オフィス文書やPDFまでパソコンなし再生できてしまうユニークな機能も持っている。かねてよりモバイルプロジェクターに興味を持っていたこともあり、発売のタイミングで試用させていただいた。

 本体は、携帯電話をふたまわりほど大きくしたサイズ。重さは145gというから、iPhoneとほぼ同等だ(iPhone 4は137g)。先端にレンズがあり、電源を入れるとここから映像が投影される仕組みだ。操作は本体上面のキーか、付属のリモコンを用いて行う。画質のクオリティはそこそこ高く、フォーカスを調整してやることで細かいディティールもくっきりと表示できる。

 本製品はビデオケーブルを用いて、iPhoneなどからも入力できるが、やはりキモになるのは単体での利用、つまりmicroSDカード内に保存したデータの再生だろう。例えばケータイで撮影した写真の入ったmicroSDカードを本製品に挿せば、それだけで壁面や天井などのスクリーンに投影できる。また、Word、Excel、PowerPointなどのオフィス文書をパソコンからmicroSDカードにコピーし、本機単体で持ち歩いて、出先でプレゼンもできてしまう。コンパクトなボディから30~40インチクラスの大画面が壁面に映し出される様子は、なかなかの迫力だ。

 対応するフォーマットは、画像はJPEG、動画はH.264、その他文書でWordやExcel、PowerPoint、PDF、テキストファイルなど。手元にあったAVI、3GP、MOV形式などさまざまな動画ファイルを試した限りでは、再生できる動画のエンコードの制限は比較的緩いようだが、数十MBのPDFデータを表示しようとしたところ、メモリ不足で1ページ目を表示した状態でハングアップしてしまった。動画でも似た状況があったことから、ファイルサイズには注意したほうがよさそうだ。

 専用のバッテリーで駆動し、動作時間は動画再生時で80分。このあたりは本体サイズとのトレードオフで致し方のないところだろうが、別売りでもACアダプターでの駆動に対応してほしかったというのが正直なところだ。ちなみに充電時間はUSBで約6時間。利用中にかなり熱くなるのは、プロジェクタという機器の特性からして致し方ないだろう。

 壁面までの距離は最大で2mなので、広い会議室での利用よりも、数人の打ち合わせルームでの利用、あるいは寝そべって天井に投影するのに適した製品ということになる。実売価格が4万1800円と手軽に手が出る価格ではないが、パソコンもスマートフォンも使わずに外出先でプレゼンができるのはなかなかユニークで、ハマる人にはハマる製品だろう。パソコンなしでの再生、リモコン操作可、オフィス文書対応などのキーワードにピンときた人は、要チェックの製品といえそうだ。

本体と付属のリモコン(右)。本体上面のキーもしくはリモコンで操作を行う先端のシャッターをあけるとレンズ部がある
32GBまでのmicroSDに対応する。ちなみに本体にも2GBの内蔵メモリを備える付属の三脚を取り付けたところ。安定感には欠けるが真上を向けることもできる
メニュー画面などの切替速度は必ずしも高速ではないものの、実用上支障ないレベル静止画を再生しているところ。ディティールはかなりはっきりしており発色もよい。解像度はVGA

 

製品名販売元販売価格
モバイルプロジェクター 400-PRJ007サンワサプライ4万1800円

 

(山口 真弘)

2011/8/5 06:00