算数の試験は大嫌いだったのにハマってしまう「POP QUIZ WATCH」
ミニマムな価格で最大限のこだわりを表現したPop Quiz Watch(左) |
ほとんどの人が365日、常に身につけている携帯電話に時刻表示機能が搭載されてから、腕時計は“時刻を知る道具”という意味だけなら不要な存在になった。一時的に、世界の多くの腕時計メーカーの業績が悪化し、撤退もあった。しかし、気合いの入ったいくつかの会社は、デザインやアイディア、ジョーク、究極メカ、高級志向、新しい技術の採用や敵対するはずの携帯電話とのコミュニケーションを前面に出してあちこちで復活を始めている。
本日、ご紹介する「Pop Quiz Watch」もそんなジョーク腕時計の1つだ。文字盤を黒板に見立ててチョークで時刻表示を描いたような腕時計はPop Quiz Watchの専売特許では無く、筆者が愛用しているスイス”フォルティス社”の「IQ Watch」が先行して有名だ。
先輩格のIQ Watchは、ダークグリーンの黒板のイメージも、指先でこすった擦れた感じのチョークの筆跡もリアルでクールだ。時刻を現す数字の代わりにやさしい“算数”レベルのシンプルな数式が描かれている。
対して、今回ご紹介するPop Quiz Watchは、真っ黒な黒板に、試行錯誤することなく、清書書きのようにきれいに描かれた難解な数式が特徴と言えば特徴だ。しかし、綺麗すぎて子供の頃から指先が知っているチョークのイメージと異なり、ちょっとがっかりだと感じる人も多いだろう。
時計の時刻は1時から12時(0時)と決まっている。IQ WatchとPop Quiz Watchの時刻表示は、1時から12時(0時)までひとつとして同じ数式は見当たらない。全体的なデザイン性に重点を置きシンプルな数式でまとめているIQ Watchに比べ、どちらかと言えば無理矢理に1から12までの答えを引き出すように逆算して作り上げた難解な数式を採用しているのがPop Quiz Watchだ。
リアルな表現を追求し、細部にまでこだわって作り上げたフォルティス社のIQ Watch。対して、二番煎じ感が強く、細部のこだわりは無視しても、Popな勢いで作り上げ、IQ Watch の30分の1以下の価格で購入できるPop Quiz Watch。“こだわり”と“価格”のどちらを取るか。不況ならずともつねに選択を迫られる永遠のテーマと言えるだろう。
贅沢にデザイナーを使い、細部のこだわりを実現したフォルティス社のIQ Watach。ブランドロゴまでチョークによる手書きイメージは凄い! | IQ Watchへのオマージュのようなイメージを受けるPop Quiz Watch |
球面のプラスティック風貌はクラシカルでノスタルジックで愛着がわくデザインだ | 意外と、シンプルでナチュラルな持ち物とコンビネーションすると落ち着く感じだ。 |
商品名 | 実売価格 | 購入場所 |
Pop Quiz Watch | 3780円 | AntDesinStore |
2011/1/25 06:00