右手でも左手でも快適操作! 「MagicTrackpad」


MacBook Proのパッドに比べるとこのぐらいの大きさになる

 筆者は実は、マウスがそんなに好きではない。距離を動かすのが面倒だったり、意外に場所を必要としたりするのが嫌なのだ。特に最近は画面が大きく、右から左へ動かすのにも何度かマウスを持ち上げて置き直して操作をすることになる。マウスの速度を上げればいいのだが、それをやると今度は短い距離での操作に戸惑うので、結局は速度はそのままにして使っていた。さらには、資料を広げまくって作業をする時とかに、筆者の狭い机だとどうしても縦横に動かすスペースを確保するのが面倒だったりするのだ。

 というわけで、まず最初にしたのは無線なマウスを使うということだった。ケーブルが無い分、机の上での自由度が高く、これはこれで快適だ。だが、トラックボールの方が机の上で省スペースなのに気づいてからは、ずっとトラックボールを使っていた。何せ、縦横に動かす必要がなく、ボールをくりくり回すだけでいいのだ。ただ、トラックボールにも不満点はあった。それは無線でかつ左手用のトラックボールがほとんど無いこと。無線なトラックボールは右手用のものしか(少なくとも筆者の知っている範囲では)売られていなかったのだ。そう、筆者は左手でもマウスやトラックボールを使えるので、メモをしながらカーソルを動かしたりする、つまりは左手でマウスやトラックボールを使いたい人間だったのだ。しかもMacユーザーなので、Macで、左手で、無線なトラックボールを使いたい、という少数派極まりないわがままな要望を持っていたのだ。

 そんなわがままな筆者のために開発されたのではないかと思ってしまう製品が7月にAppleから登場した。それがこの「Magic Trackpad」だ。

 Magic TrackpadはMacBook Proなどのトラックパッド部分をそのまま大きくしてデスクトップで使えるようにしたポインティングデバイスだ。パッド部分はMacBookなどと同じく強化ガラスになっている。このガラスが摩擦に強く、手触りが非常にいい。いつまでも触っていたくなる触り心地だ。デザインはApple Keyboardを踏襲しており、2つを並べるとぴったりと合うように大きさや傾きが同じになっている。クリックは通常のクリックやダブルクリックだけだったらパッドをちょっと勢いをつけてタッチするだけでいい。なお、クリックはパッド下部(手前側)のゴム足部分にあるスイッチが押し込まれて認識されるため、パッド上部では力を加えなければクリックできない。

 このMagic Trackpadの一番の売りは、なんといっても豊富なマルチタッチ操作だろう。箱の裏面に一覧が記載されているが、普通のクリックや右クリックはもちろんのこと、スクロールやアプリケーションの切り替え、ブラウザでの前のページ次のページ操作、画面の拡大縮小などさまざまな操作を行う事ができる。これが至極便利なのだ。MacBook Proなどのパッドよりも大きいので複数指を使った操作も非常にやりやすい。個人的にはWebブラウザを使ってだらだらと色々なページを見るのに最強のツールなのではないかと思っている。

 そしてなんといってもうれしいのは、左手でも何も問題無く使えるということ。もちろん左手用にデザインされているわけではないが、このタッチパッドは右からでも左からでも同じように触ることができる。右利きの人に便利なようなボタン配置とかにはなっていないのだ。なので、右手で操作をしても左手で操作をしても全く同じように操作をすることができるのだ。筆者のような人にはこれがすごくうれしい。もちろん、無線だ。

 というわけで、最初はなんとなくで購入したのだが、もはや手放せなくなってしまった。ただ、筆者はMacユーザーなので全ての機能を使えているが、Windowsで使うにはまだドライバなどがしっかりと作りこまれてはいないようだ。今の筆者は、Magic Trackpadしか使えない体になりつつあるので、Windowsでも快適に使えるようになって欲しい。

Apple Wireless Keyboardと並べてみた。デザイン・サイズがぴったりだ。左側に置いてもこのように違和感は無い低い方のところにあるゴム足がボタンになっている。ドラッグなどを行ったりするときにはこの足を押した状態で行うことになる
箱にはこのように操作方法が描かれている。ちなみにMac OS Xの設定画面からチュートリアルを見ることもできるようになっているので、操作方法に関してはわからないということは無いだろう

 

製品名製造元購入価格
Magic Trackpadアップル6800円

 

(杉村 啓)

2010/9/8 06:00