腕時計としてBluetoothヘッドセットを持ち歩こう

腕時計のバンド部にBluetoothヘッドセットが格納できる「Bluetooth腕時計」

　筆者にとって、Bluetoothヘッドセットは常に携帯していたいアイテムの1つだ。Skypeなどのボイスチャットや車の運転中などはもちろん、両手が空くことでメモを取れる利点があり、友人との雑談なんかは掃除や洗濯といった家事と平行しながらの「ながら作業」ができるので重宝している。これまでもいくつかのBluetoothヘッドセットを使ってきたが、今回、サンコーの「Bluetoothヘッドセットデジタル腕時計」を試用する機会を得た。

　「Bluetoothヘッドセットデジタル腕時計」は、簡単に言えば腕時計のバンド部にヘッドセットが収納できる仕組みになっており、収納すれば腕時計として、取り外せばヘッドセットとして使える一品だ。バンド部への収納はマグネット式になっており、収納部分にはめ込む事でスっと吸い込まれるように固定される。

　ヘッドセットは表側に液晶画面が配されており、通常はデジタル時計とアラーム機能を表示する。バンドにはめ込むと、丁度腕時計のような仕上がりになるという具合だ。また、液晶部分はBluetooth接続の際に「CONNECTED」「DISCONNECT」といったステータス表示や接続の確立を示すBluetoothマークが表示されるので分かりやすい。BluetoothヘッドセットのステータスはLEDの色や点滅回数で判断する製品が多く、最初はマニュアルを読み覚えないと分からない事もあるが、画面にダイレクトにメッセージが表示されるのは直感的で分かりやすい。

　携帯電話とペアリングをして試したところ、筆者の環境では若干エコーがかかったように聞こえる事はあったが、十分に通話は可能で、ポケットや鞄に携帯電話を放り込んだ状態でも聞き取りにくいノイズが混じるような事は無かった。プロファイルはHSP/HFPに加えてA2DPにも対応しているため、対応する携帯電話のオーディオ再生にも可能だ。片耳での再生のため、専用のヘッドホン等と音質を比べるべきではないが、ハンズフリーの通話同様に「ながら作業」のBGMとしてちょっと鳴らしておくという用途では良いのではないだろうか。
　
　総じて使い勝手は良いのだが、少し残念な点も。Bluetoothリンク状態で着信があると、相手の電話番号が液晶画面に表示される。最初は便利かも！ と思ったのだが、最近はアドレス帳に登録された名前で相手を識別することが多いため、電話番号が表示されても相手が誰か分からない事が多かったのだ。また、うっかり充電を忘れてしまって完全にバッテリー残量が無くなると、時計の時刻もリセットされてしまうので、こまめに充電を心掛けないといけない。

　Bluetoothヘッドセットというジャンルの製品は、そのサイズが小ささから、鞄の中などに放りこむと探すのに苦労するデバイスだ。腕にセットするのはもちろん、バンドを鞄の取手に留めたりと、持ち運びのスタイルを変えられるのもこの製品の特徴と言えるだろう。

ヘッドセット背面の液晶部は、通常時はデジタル時計	手持ちの携帯電話とペアリング。“BAW-100D”という名称になる
着信時には電話番号が表示される。電話帳の名前表示等は行われないので相手は分かりにくいかも	腕につけた状態はこのような感じに。マグネットで固定されているので外れにくい