iPhoneやiPadとマルチペアリング可能なBluetooth折りたたみキーボード

RBK-2000BTII。コンパクトだがキーピッチが広く、入力しやすい

　先日リリースされたiPhoneおよびiPod touchの最新OS「iOS 4」において、筆者が最も喝采を上げた新機能、それはBluetoothのHIDプロファイルへの対応、すなわちBluetoothキーボードへの対応だった。これを待っていた！ と諸手を挙げて歓迎したユーザーは、筆者のほかにもきっといるに違いない。

　とはいえ、iPhoneと一緒に持ち歩けるほど手軽なBluetoothキーボードは、現時点ではそれほど種類は多くない。またUS配列・JIS配列に関わらず、iPhoneに接続して使うとキー入力とキートップの刻印が一致しないかも……という不安もあり二の足を踏んでいたところ、いち早くiOS 4を搭載したiPhone 4/3GSへの正式対応に動いた企業があった。以前からPDAや携帯電話向けに、折りたたみ型Bluetoothキーボードをリリースしているリュウドである。
　
　同社が販売しているUS配列の折りたたみキーボード「Rboard for Keitai RBK-2000BTII」であれば、iPhoneに接続した際にキーの刻印通りの文字が入力できることを発表した上で、マルチペアリングにも対応したバージョンアップ版「RBK-2000BTII Ver2.0」を発売したのだ。前置きが長くなってしまったが、このBluetoothキーボードを今回はご紹介したい。

　本製品は前述の通り、折りたたみ機構を持つ変わり種のBluetoothキーボードだ。この折りたたみ機構が実に秀逸で、折りたたみ時には文庫本一冊分ほどのサイズになるのに対し、展開時には十分に広いキーピッチと、しっかりした打鍵感を備えたキーボードになる。キーの配列も、「DEL」キーと「？」キーが妙な位置（Shiftキーの右側）にあることを除けば、概ね正規の配列であり、US配列キーボードを利用しているユーザーなら、入力時に指が迷うこともないだろう。また、キーボードの左上に内蔵している引き出し型のスタンドも便利で、キーボードの入力時にiPhoneの置き場所に困るようなこともなかった。

　早速、先日入手したばかりのiPhone 4とペアリングして入力を試してみた。打鍵すれば文字が入力でき、Spaceキーで変換が行える。この当たり前の事が当たり前のように行えるというのが実に嬉しい。キーレスポンスは上々で、無線で接続しているからといって目立った遅延が発生する事もない。なお、ペアリングは特定のキーの組み合わせで行うのだが、切断するときはどうするのだろうと少々戸惑ったものの、すぐに解決した。キーボードを折りたためば自動的に電源がオフになって接続が切断され、広げて適当にキーを押せば再度iPhoneと接続されるのだ。この軽快さには感動すら覚えた。

　ちなみに前述の通り、本製品はマルチペアリングに対応している。最大4台までの機器とペアリングが可能とのことだったので、とりあえず手元にあったiPadともペアリングを試みてみた。iPhoneとiPadのBluetooth機能が両方ともONだった場合、どちらと接続を確立するのだろうと試してみたところ、先にiPadと接続を確立した。これにMacBookを加えて三台同時に試してみたところ、今度はMacBookと接続を確立した。どうやら単純に、Bluetooth検知感度の強い機器が、先にキーボードを発見し接続を確立するようだ。接続しない機器のBluetoothはオフにしておく必要はあるものの、別の機器と接続する際、前の機器とのペアリングを解除するという手間が省けるのは嬉しい。
　
　購入しておよそ1カ月、仕事にプライベートにと連れ回しているこの折りたたみBluetoothキーボードは、まさにiPhoneをはじめとするスマートフォンとのベストカップルと言っても過言では無い印象だ。携帯性が高く、しっかりとしたテキスト入力環境を欲してやまない諸兄には、是非ともオススメしたい。
　
　ちなみに、本記事執筆のためリュウドのWebサイトを訪れたところ、本製品のJIS配列版である「RBK-2100BTJ」も、8月1日以降の出荷分よりマイナーバージョンアップして「Ver.2.1」となり、iPhone 4/iPhone 3GSへの正式対応を果たしていた。キー入力とキートップの刻印が一致しない問題については、キートップに貼るシールを同梱することで対策しているようだ。

　なお、こういった記事のお約束とも言えるが、本記事はiPhoneと「RBK-2000BTII Ver2.0」によって執筆したものであることを最後に付け加えておく。

折りたたむと文庫本一冊分くらいのサイズになり、携帯性が高い	折りたたみスタンドを展開すれば、iPhoneやPDAなどが設置可能。さすがにiPadは大きすぎて無理だった
単四電池2本で稼働する	バージョンアップ版であることを示すシール。購入の際はシールの有無をチェックしたい