鉄分の多い人も少ない人も! N700系の高速感を表現「ハシ鉄」
普通に写真を撮っても、スピード感や躍動感が表現されている |
すでに存在するモノを別の目的の商品にアレンジして販売するときには、いくつかの定石がある。きわめて精巧に、オリジナルの対象物をミニチュアライズするのが一般的な手法だが、それでは製作コストが見合わないという場合も多々ある。
そういうケースの代表として挙げられるのが、乗り物――飛行機や電車、レーシングカーなどを子ども向け商品にする場合だ。そんな時は、精巧なミニチュアにすればコスト的に見合わないことが当初からわかっているので、まったく別の方法をとることが多い。
たとえば、乗り物の場合は、その乗り物に対して人間が持っている印象を具体的に、端的に表現する方法だ。今回ご紹介する、N700系新幹線をモデルにした「ハシ鉄」はその典型と言えるだろう。
「ハシ鉄」は、人が新幹線に対して持っている「速い」というイメージと、目の前を一瞬で通り過ぎる時の遠近感というイメージを、ハシという日常的なモノの上できわめてうまく表現している。
ちなみに、今回筆者が購入したのはN700系新幹線だが、他の車両モデルも同時に発売されている。「ハシ鉄」は全長210mmで標準的なハシのサイズより10mm~30mmくらいショートサイズだ。現実には動かないモノに対して、人が“スピードを感じる”であろう対象の表現形態は、いろいろあるが、典型的なのは、グラデーションと、近くが大きく、遠くの方が小さい遠近法的デフォルメだ。
「ハシ鉄」はその2つの表現手法をうまく使って、決して自走はしないハシにスピード感と躍動感を吹きこむことに成功している。「ハシ鉄」は子供だけではなく、鉄道ファンはもちろん、すべての人の食卓にある箸置きに停車させたい一品だ。
新幹線とハシ、長い以外は、一見関係なさそうだが…… | デフォルメされた本体デザインとストライプがスピード感を感じさせる | シンプルなふりかけご飯か、玉子ご飯が似合いそうな「ハシ鉄」コンビ |
商品名 | 実売価格 | 購入場所 |
ハシ鉄 | 630円 | JR上野駅前 ヤマシロヤ |
2010/8/3 06:00