本日の一品

懐かしの「ウォッチバンドカレンダー」に似合う腕時計を探してみた

最初にプチ大人買いした6セットの「ウォッチバンドカレンダー」。既に半分以上は手元から無くなった

 最近はどうか知らないが、少し前までは新卒社員が初出社する日を迎えると、生命保険セールスのお姉さんが会社のロビーなどで待ち構えていて、将来の生活設計のために生命保険の勧誘を薦める姿があった。そんなセールスお姉さん必携の全天候対応の汎用“マーケティングツール”がこの「ウォッチバンドカレンダー」だった。

 パッケージングの形式はさまざまあったが、自社の生保のウンチクやらメリットやらが書かれた台紙に、アルミニウム製のカレンダーが貼り付けられたモノだったと記憶している。

 そんな“昭和レトロ”な雰囲気いっぱいの「ウォッチバンドカレンダー」がネットショップで大人気だ。既に今年も2月が終わって3月だというのに、あと10カ月弱しか使えないカレンダーが未だに競争で飛ぶように売れている。

まずは大人買いで6セットにしたが、友人知人へのプレゼント用に追加5セット発注中

 製造元の大成によると、現在、日本でこのカレンダーを製造出荷しているのは同社だけらしい。少人数の経営なのかマーケティング戦略なのか、1週間に出荷手続きをできる数だけ限定してWeb販売している。通常、毎週月曜日の正午からその週の在庫を販売を開始するが、その直後に売り切れてしまうほどの人気となったウォッチバンドカレンダー。筆者も、1月末に大人買いしてしまった。1人あたり10セットまで購入できるが、今回は“自制心ある大人買い”の6セットにとどめた。

 我が家に届いたウォッチバンドカレンダーは、青い紙の台紙に2017年度の暦が印刷されたアルミ製の月カレンダーが12枚貼り付けられたパッケージで懐かしい雰囲気をかもしだしている。このカレンダーに似合いそうな昭和レトロな腕時計を、安物腕時計のコレクションから選び出してみた。いかにもアナログ腕時計が似合いそうだが、初期のデジタル腕時計もマッチングは良さそうだ。

 まだまだ流行のチープカシオはその最右翼に居るようだ。ただし、どちらかといえば、同じチープカシオでもメタル系のブレスを採用したプチリッチなカシオ腕時計の方が似合いそう。

この辺りのレガシースタイルの腕時計がウォッチバンドカレンダーに似合いそうだ

 何時間かかけて筆者が選びだしたのは、リューズの付いたセイコーの初期のデジタル腕時計、そしてメタルブレスのチープカシオ「A-164W」、「カシオトロン」のグリーンカラー、ラバーベルトのチープカシオの代表的モデルの「F-91W」、そして昭和の舶来プチリッチモデルだったスクエアな「ラドー・マンハッタン」の5モデルだった。

 実際にカシオトロンとラドーに取り付けてみた。小さなウォッチバンドカレンダーに印字されたカレンダーの日曜から土曜日までの一週間を表示するには最低17mm幅のベルトが前提だ。逆に、ベルト幅が22mmを超えてしまうと、カレンダーをベルトにホールドするための折り返しに余裕がなくなってしまい、外れやすくなる可能性があるようだ。

 そして、ベルト幅が17mm~22mmに収まっていても、美錠方向に向かってだんだん幅が細くなってくる均等幅ではないベルトは、カレンダーの固定がなかなか難しい。上手く圧着しないと、時計を腕に装着する際にカレンダーの位置がズレてしまうこともある。

やはり70年台、80年台のメタルウォッチがぴったりな感じだ
昔を思い出せないまま最初に装着したカシオ・カシオトロンの裏側はちょっと駄目な左右アンバランスだった

 昭和レトロな腕時計だけではなく、筆者の愛用している幾つかのスマートウォッチにも仮止めしてみたが、ラバーベルト系の腕時計はそのほとんどが全く似合わない。最も似合わなかったのは、ドレッシーさが売りのマイケル・コースのスマートウォッチだった。

憧れの舶来品「ラドー・マンハッタン」腕時計とはさすがに相性抜群……とは言いがたいが、全く似合わないとも言えない微妙な関係だ、同じ時代背景を持つからだろうか
全くと言ってよいほど、200%似合わないマイケル・コースのスマートウォッチ……時代は別にして、チープなのに背伸びをした華美な装飾系腕時計にウォッチバンドカレンダーは似合わない

 最近話題の腕時計でも、メタルベルトのオーソドックスなスタイルの腕時計には、意外と違和感がなかった。たとえスマートウォッチを腕に装着していても、カレンダーを見るには、スマートウォッチ専用のアプリを導入するか、何度か画面やボタンをタップするか、親機であるスマホを取り出してカレンダーを見る必要があるだろう。

 そんなスマートウォッチもスマートフォンでも、とっさには全く実現できない「先を見る」というシンプルな動作。昭和レトロなウォッチバンドカレンダーは、それを平成の時代になっても簡単に実現してしまう優れモノなのだ。

やはりチープカシオの似合い方は半端ではないな……
やはり堅実で真面目なデザインの伝統ある国産腕時計は似合う。意外とApple Watchのミラネーゼブレスは似合うかも

 今、一番の楽しみは、1ヶ月が経過するごとに、年内に使えるウォッチバンドカレンダーが1枚づつ減っていくのに、いったい何月までこのウォッチバンドカレンダーを買う人がいるのか?ということと、いったいいつまで作るのか? という2つだ。買うなら今だし、買わなくてもいつまで需要と供給のマッチングが継続するのかきわめて楽しみだ。

製品名販売元購入価格
ウォッチバンドカレンダー大成400円(税別、送料別)