本日の一品

Type-Cケーブルを“組み込める”バッテリー「Power RockStar 6600」

筆者には定番中の定番であるベルキン社のモバイルバッテリー。Type-C充電ケーブルをインテグレーションした製品だ

 スマホやタブレットが爆発的に普及し、SNSやゲームなどでバッテリーパワーを食うアプリが一般的になると、一番に問題になるのはスマホ・タブレットの内蔵バッテリーが枯渇することだ。

 市場競争が低迷し、テクノロジーの進化も低速な時代には、アプリ側は積極的に省電力化の設計や改善に努めるが、スマホ開発バトルのど真ん中の時代で、バッテリー容量の拡大進化も多少バブリーな昨今では、アプリによる省電力化はそれほど期待できないのが現実だ。そんな時代だからこそ、モバイルバッテリーは一大市場を形成している。

 一方、太古のパソコン時代に、「WindowsかMacか」という並立の時代があったように、スマートフォンの時代になっても、同様に「iPhoneかAndroidか」という市場構造が存在している。

 テクノロジーや使い方の進化を促す上で、2つの大きな勢力による市場分割は、十分効果的だ。反面、起源の異なる異分子なので、お互いが標準と考えるアーキテクチャーやハードウェアは異なるのが一般的だ。

 iPhone系がLightningという形状のケーブルを採用し、Android系のスマホがmicroUSBという異なるタイプのケーブルインターフェースを採用するのもやむを得ないことだ。しかし、スマホ側のケーブル端子の差異は、そのままユーザーのモバイルバッテリーの使いやすさを阻害している。

 最新であるはずの「Type-C」を採用したAndroidスマホユーザーもそこは同様だ。別途、Type-CケーブルをUSBモバイルバッテリーと一緒に携帯するか、ケーブルの先だけをmicroUSB→Type-Cに変換するアダプターを一緒に持ち歩くしか解決策はない。

 たしかに時代はiPhoneのLightningケーブルとAndroidのmicroUSBケーブルから、統一規格と目されているType-Cに向かう過渡期ではあるが、目処は2017年と言われてはいても、本当にいつ統一されるかは定かではなく、ビジネスの状況やパーツサプライによっては大きく後退する可能性もある。

 そんな不安定な時代にも関わらず、モバイルバッテリーではきわめて信頼度が高く、センスも良いベルキン社から、早くもType-Cケーブルに完全対応したUSBモバイルバッテリーが登場した。さすが先取のマインドを持ったベルキンだ。

 現在市場にある大多数のモバイルバッテリーは、常に機能や便利さよりコストを優先し、値引き合戦の結果、安いだけで、何の特徴も無い商品が溢れている。そんな市場にあって、ベルキン社のモバイルバッテリーは、常に最高ランクの価格で販売されているが、他とは違うモバイルバッテリーの便利さ優先のセレブ・プロダクトだ。

 今回、筆者が購入した「Power RockStar 6600」は、先日、購入したApple Watchも同時に充電できる6700mAhの製品に続いて2台目のベルキン製バッテリーだ。

つい先日、Apple Watchもケーブルレス充電できる6700mAhのスリム&トールボーイ型モバイルバッテリー(右)を購入

 「Power RockStar 6600」は数字が示すとおり、6600mAh容量のモバイルバッテリーだ。パッケージには、ゴールに輝く本体と保証書、スタートガイド、約10cmのmicroUSBポート用のショートケーブルと、同じく約10cmのType-Cポート用のショートケーブルの2本が同梱されている。

microUSBとType-Cのショートケーブル2本を同梱。保証書とスタートガイドが付属する

 特徴的なのは、購入したユーザーが本体側面をケーブルスロットを備えること。常時使う方のケーブルを挿入して、モバイルバッテリーと一体化して持ち歩けるように考えられた仕様だ。

microUSBショートケーブルか、Type-Cショートケーブルのいずれかを選び、本体のスロットに取り付ける

 もちろん筆者は、「HUAWEI Mate 9」用に購入したので、スリットには、Type-Cポート用のショートケーブルを挿入して持ち歩いている。頑丈かつフレキシブルなので、スマホに接続したまま180度折り返して、スマホとバッテリーをまとめて片手で持ったままで操作できる。

Type-CショートケーブルはMate 9とモバイルバッテリーを無駄なく最短距離で接続できる
丈夫で柔軟なショートケーブルは180度折り曲げて、充電しながらスマホを使用してもぜんぜん苦にならない

 挿入時にバッテリー側のスロットの底面部にはマグネットが仕込まれており、ケーブルのUSB-A端子が気持ち良い感覚でピタッとくっつき、不用意にケーブルを失くす心配もない。

 モバイルバッテリーには絶対に必要な充電ケーブルを“インテグレート”してしまうというケーブルマネジメントに長けたベルキン社が、この「Power RockStar 6600」にLightningショートケーブルも標準的に付属して、市場で必要性のある全てのケーブル3本を同梱した無敵パッケージに仕上げなかったのが不思議だ。

左端のケーブルスロット。隣のUSB出力ポートは2.4Aと1.0Aが各1個。右端はバッテリー残量計のLED
Type-Cショートケーブルをスロットに入れて活用中。Lightningショートケーブルも標準で付属すれば”無敵”の「全機種ケーブル・インテグレート・モバイル・バッテリー」となるのに惜しい……
製品名販売元購入価格
Power RockStar 6600ベルキン6660円