本日の一品

“野菜ヌードル”を簡単に作れる「ベジヌードルカッター」

 世の中は健康ブームがまだまだ続いてるが、筆者は取り立てて健康オタクでもなく、加工食品嫌いなわけでもない。甘いものから辛いものまで、なんでもまんべんなく食べていた親父が、99歳で突然他界した前日まで元気だったことも影響してるのかもしれないが、筆者も親父とよく似て、アップルパイ大好き、マーガリンも好きで、ステーキも鯛焼きも大好物だ。ただし、親父譲りでお酒と煙草はやらない。

 とはいえ、2年ほど前に食習慣とは直接関係ない循環器系の重大な病気で死にかけたりもしたので、最近は多少塩分を控えるようにしている。食生活が大きく変化したということもないが、同じ食材を食べるなら一番美味しい食べ方で味わいたい、という欲求がきわめて強くなった。

 そんなこんなで、トースターに凝ったり、ジャムにハマったり、ヨーグルトに興味津々だったりと忙しい。しかし、一番興味のあるのは、食品その物や原材料ではなく、それを加工するハードウェアに心惹かれることが多い。

ベジヌードルカッター
明るいグリーンでキュートな本体と取説

 今回、見た瞬間にその魅力に取り憑かれた買ってしまったのは、“野菜ヌードル”を簡単に手回しの人力で作ってしまえる最近流行の「ベジヌードルカッター」だった。2年ほど前に数社が発売し、欧州で流行し始めたころは、あくまで、カロリーが低い野菜で満腹感とパスタ的な雰囲気を楽しみつつ、炭水化物の摂取量を押さえるというのが目論見だったと思うが、はたしてそんなことが可能なのだろうか。

 筆者が購入したのはニューヨークに本拠を置くキッチンウェア大手「OXO」(オクソー)の「ベジヌードルカッター」だ。同社のGOOD GRIPSブランドに属するサラダツールの1つで、世界数十カ国以上で販売され、抜群の人気を博している。その見かけからは売価が少し高いようにも感じるが、定番のブランド商品ならではの価値がある。

 ベジヌードルカッターは、てっぺんがグリーン色の双葉のようなツマミの付いた蓋付きのハードウェアだ。付属の小さな取説には、具体的なレシピも掲載されており、買ったその日からいろいろ楽しめる。

双葉が付いたような蓋を取り外すと、興味深い3つの刃が姿を現す

 軽くロックされている蓋を引っこ抜くと、内部に3つの個性的な形をしたカッター刃が並んでいるのが見える。1つは、刃の側面に小さな三角形の刃が7枚立っている刃。その隣にあるのは、一般的なスライサーのような一枚刃だ。そして中央には、円筒形の丸刃が配置されている。

三角形の刃で野菜を幅細く切って、次に待ち構えている平刃で薄く切る

 ヌードル状にカットする野菜は、断面がこのベジヌードルカッターのように丸いものが適している。例えばズッキーニや大根、人参、じゃがいもなどが最適だ。今回テストしたような、ある程度の太さのあるきゅうりも大丈夫だ。カラーバランスを考えていろいろな野菜をチョイスする楽しみ方もある。

 人参のように尖った野菜なら野菜の端を少し切ってセットする。片方の手で持ったベジヌードルカッターの刃に、反対側の手に持った野菜の断面を押し付けて、鉛筆を削る要領で時計回りに回転させれば、すぐにヌードル状になった野菜が延々と繋がって出てくる。

力を入れなくても、面白いくらいヌードル形状の野菜が連続で出てくる

 端をカットした野菜を押し当てる時には、野菜の丸い断面の中央付近を、ベジヌードルカッターの中央の丸刃に合わせて押しこむと上手くいくだろう。三角形の切り立った7枚の刃で、野菜の断面を数ミリの深さで溝を切って、続いて待ち構えている一枚刃では、既に幅細い形状に切られた野菜を薄くカットすることで、連続的にヌードル状の野菜が出てくることになる。

野菜が短くなってきたら、このイガイガ付きの蓋が活躍する

 クルクルと回転させていき、野菜の長さが短くなってくると三角刃で指先を切ってしまう危険性もある。数cmくらいの長さになった段階で、蓋の反対側のイガイガ突起で野菜を押さえて回転させることで、無駄なく最後まで削れる。

 真ん中の丸刃を通り抜けた野菜は、丸鉛筆の野菜スティックの様な形で残るので、このままスティック野菜として使えそうだ。アイデアを凝らして、何か別の目的に使うのも楽しそう。

野菜ヌードルに作る度に1本できる丸鉛筆のようなサラダスティック。工夫次第で楽しめそうだ

 筆者宅ではまず、本来の使い方のように、ベジヌードルカッターで作った野菜ヌードルをパスタの代わりに使ってローカロリー実現食を試みた。しかし、どちらかと言えば、一般的なサラダに使った方がウケが良い感じだった。

 結局のところ、人参や大根、ズッキーニなどをヌードルにして、ドレッシングをかけて単なるサラダとして食べるか、その上にカツやコロッケを乗っけてスペシャルソースをかけて食べるなんて、ローカロリーとは無縁の方向に向かっていきそうだ。

 いずれにせよ同じ野菜だが、従来との違いはその食感だ。真面目にパスタ代わりの野菜ヌードルにするも良し、筆者のようにカロリーは気にせず、新しい食感のサラダを提供するベースアイテムとして、他のハイカロリー系と組み合わせて美味しくいただくのも楽しいものだ。

製品名販売元購入価格
ベジヌードルカッターOXO2500円前後