本日の一品

人を楽しくセンスよく驚かせる「フライング・バタフライ」

 びっくり箱の起源がいつで、どこが発祥の地かなんて、簡単には分からないと思う。それほど、びっくり箱がどの国にも存在するということは、(少しの節度を持ってセンス良くできるのであれば)人を驚かせることは万国共通でウェルカムな感じなのだろう。

 電気がピリピリとくるものや、何らかの液体物が飛び出してくるものなど、インパクトはあるが、相手によってはマズいことになったりする可能性も高いので、びっくり箱選びは意外と難しい。

ゴム動力の大きな羽根が特徴で、手のひらサイズのドローンよりは大分大きい

 「箱」という単語はついてはいるが、別に箱に入ってなくても大丈夫だ。今回、本日の一品としてご紹介する「FLYING BUTTERFLY」(フライング・バタフライ:飛ぶ蝶々)も、そんなセンスの良い驚かせアイテムだ。

 筆者はこのフライング・バタフライを台北市内で購入したが、薄い封筒の様なパッケージは嵩張らずお土産には最高だった。

パッケージはきわめて軽量なので、お土産やプレゼントにはグッドだ

 内部には紙でできた4枚羽根の、一見してドローンのような格好をした蝶々が入っている。空気中を飛行するドローンはバッテリーのエネルギーで飛ぶが、フライング・バタフライは、ゴム飛行機と同じ原理のゴム動力でバタバタと飛行する。

 前の2枚の羽根と後ろの少し大きな2枚の羽根が、ゴムのほどけるパワーでお互いに反対周りをして飛ぶ仕組みだ。動力のゴムとしては標準より少しサイズの大きな1本の輪ゴムが往復して前フックと後フックの間にかけられている。

少し長めの1本の輪ゴムを往復にかけてパワーを出す仕組み
前後それぞれ2枚の紙の羽根が、ねじったゴムがほどけるパワーで高速回転する

 封筒の裏に書かれているインストラクションを読むと、前後どちらかの羽根を指先でつまんで固定し、もう一方の羽根を25回転くらい回してゴムを巻くと書かれている。ゴムを規定数巻いたあとは、このフライング・バタフライをどこに置いて相手を驚かせるのかを決めなければならない。

 普通に考えられるのは封筒の表紙にもイラストで書かれているように、グリーティングカードなどに挟んでおくこと。改まった誕生日や結婚、出産、昇進等のお祝いでなく日常のジョークとするなら、読みかけのままデスクに置かれたハードカバー本の中ほどに挟んでみても面白い。

 一番簡単なのは、誰かが無造作に会議室の机の上に置いたノートパソコンの下にフライング・バタフライを忍ばせて敷いておくことだ。会議が終わっておもむろにパソコンをテーブルから持ち上げたら、大きな蝶々がパタパタと会議室を飛びまくるだろう。

ハードカバーの書籍に挟んだり、ノートパソコンの下にこっそりと置いたりすれば仕掛けは完了だ

 会議の結末にもよるが、ハッピーな感覚になれたり、ヤケにシュールな感覚になれたりするかもしれない。前後のそれぞれの2枚羽が反対側に回り出す構造なので、プラペラ飛行機ようなスムースな離陸や飛行はあまり期待できない。どちらかといえばバタバタといった感じで、蝶というより大型の蛾が暴れる感じにも近く、多少不気味だ。

本を開けようとすると突然、蝶々が羽根をバタつかせて飛び出る。スペック上では20フィートほど飛ぶとなっているが、ちょっと大袈裟だ
飛ぶ動作はちょっとがさつで、蝶よりも蛾に近い印象を受けてしまう

 明るい室内ではなく、キャンプ場でテーブルからお皿を持ち上げた途端、フライング・バタフライが飛び出すようにセットしたりすると、なかなか恐怖感も味わえるだろう。しかし、びっくり箱系の感じ方は人それぞれなので、読者諸兄は、程度をわきまえて何か新しい発想で楽しむのが良いだろう。

製品名販売元参考価格
FLYING BUTTERFLYS.S. Adams390台湾ドル(約1300円)