本日の一品

遊べる腕時計は“チプカシ”だけじゃない! ナイロン素材の「STRAP WATCH」

 仕掛け人がいるのかいないのか、なぜか誰かがカシオが販売している新興国向けの超安価な腕時計を使い出して、SNSの世界でそれがB級トレンドにまでなっているようだ。

 日本国内ではとっくの昔に使命を終えて、海外で第二の腕時計人生を送ろうとしていたクラシカルで安価な腕時計だが、どんな理由であれもう一度、日本国内で脚光を浴びることは素晴らしいことだ。筆者も昨今言うところの“チプカシ”(チープカシオ)を含む、安価な腕時計が大好きで、今までいろいろな腕時計を収集してきている。

ナイロンストラップにプラスチック・バックルという組み合わせが珍しい「STRAP WATCH」

 アルカイダが使っていたという、嘘か本当か分からないニュースで一挙に脚光を浴びたチプカシの代表的機種「F91W」をはじめ、定番の「LEGO Watch」や、紙のような手触り素材「TYVEK」を使った手書きの腕時計、100均ショップダイソーの腕時計、中国製の赤いデジタル数字を表示する怪しい腕時計など、100円~2000円で買える腕時計でいつの間にか引き出しがいっぱいになってしまった。

チープウォッチの土俵は幅広い。オーナーが“チープ”と感じたモノがチープだ

 今回、ご紹介する少ししゃれた「STRAP WATCH」は、バックパックなどに使われる“ナイロンストラップ用バックル”に触発されてデザインされたスイスの超軽量腕時計だ。ナイロンストラップにありそうなカラーはだいたい揃っているマルチカラーモデルだ。実測重量は21gと、チプカシの代表選手「F91W」とほぼ同じ。

チープは自らチープとは名乗らない。これもチープだが「STRAP WATCH」
実測自重はチプカシのトップランナー「F91W」とほぼ同じ

 腕周りの寸法を調整すると、ストラップの一方だけが固定された状態になる。これを腕に装着するときは、慣れるまでちょっとコツが要る。まず、ストラップを腕に巻きつけて、反対側の2つのホックのある端をストラップガイドに通す。このホックを折り返してロックする仕組みだ。これを全て片手で行う事になる。

片手の指先で腕に固定するのは最初のうちは難しいが、慣れればすぐにできる

 腕時計として腕首に巻くだけでなく、ホックを使ってバッグの持ち手に装着したり、自転車のハンドルや、バックパックやジーンズのベルトループなどに固定したりできる。少しだけ工夫すれば、ナイロンストラップの懐中時計のような使い方も可能だ。

取り付け取り外しはリスキーだが、自重が軽いので落下しても滅多に壊れない
ベルトループに固定すれば懐中時計のイメージで使えるかも

 腕時計としては“チープな”価格になると思うが、1000円前後の“チプカシ”と比較すれば、残念ながら3~4倍は高い。しかし、マルチカラーと新しいデザインで、普段携行する身の回りの様々な物とのコンビネーションを考えるのが楽しい腕時計だ。

カラーのバリエーションはかなり“リッチ”だ

 パソコンやスマホと違って、今や腕時計の価格ゾーンは100円~数億円ときわめて“ピンキリ”だ。ピンにはピン同士の、キリにはキリ同士の素晴らしいコンビネーションがある一方、常に同格の組み合わせが素晴らしくて楽しいとは限らないのも面白いところだ。

 価格は腕時計の尺度の一つではあるが、安い腕時計が良くて、高い腕時計が悪いということもなく、その逆もまた同様だ。たまには、食べるモノも節約して長期ローンでやっと買った超重量級の高級腕時計も良いもんだ。

チープならチープのこだわりを持ってチープな仲間達と連携
リッチならリッチなこだわりを持って、腕時計はそのギャップが面白い世界だ

 流行や値段だけに流されずに、今や必需品とは言えなくなった腕時計を、遊びのアイテムとして楽しんでみてははどうだろうか! チプカシの向こうに本当に自分が惹かれる腕時計を見つけられるかもしれない。

ただし、筆者の腕時計選びの本命はリッチではなくチープでもなく“ジョークウォッチ”だ
製品名販売元購入価格
STRAP WATCHPRAXIS DESIGN3800円(税抜)