てっぱんアプリ!

容量無制限クラウドストレージがAmazonからも。「Amazon Photos」

 スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!

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アプリ名: Amazon Photos
開発者: Amazon Mobile LLC
価格: 無料
対応OS: iOS 8.0 以降、Android
カテゴリ: 写真・ビデオ
ダウンロード: iOSAndroid

 一定の解像度・再生時間までの写真や動画のアップロードについて、容量無制限で行えるサービスGoogle フォトが2015年にスタートしたのは記憶に新しいが、今度はAmazonがそれに似た「プライム・フォト」サービスを開始した。Amazonプライムの会員であれば写真のアップロードがほとんど無条件に、容量制限なしにできるというもの。今回はそのスマートフォンアプリ「Amazon Photos」を紹介しよう。

Amazonプライム・フォトサービスを利用するためのアプリ「Amazon Photos」

5GBの無料ストレージが使えるCloud Driveが、Amazonプライム会員向けに拡張

 「Amazon Photos」は、Amazonが1月21日に発表した「プライム・フォト」を含むオンラインストレージサービスCloud Driveを利用するためのアプリ。プライム・フォトは、年会費3900円のAmazonプライム会員向けに提供されるサービスで、購入商品の当日配送の他、動画見放題のプライム・ビデオ、音楽聞き放題のプライム・ミュージックなどとともに、追加料金なしで利用できる。

 大元となるCloud Driveでは、プライム会員以外のユーザーでも利用できる5GBのクラウドストレージが用意されており、ここにはファイル形式に関係なくアップロードが可能。拡張したい場合は年額800円で20GBのプランから、年額4万円で1TBのプランまで6パターンの有償サービスも設けている。プライム・フォトは、このCloud Driveで消費する容量とは別にカウントされる、写真のアップロード限定のサービスだ。

Cloud Driveでは5GBのクラウドストレージが無料で利用できるほか、それとは別に、プライム・フォト用の無制限に写真を保管できるストレージが用意される

写真・画像と判定されたファイルはあらゆる端末から無制限にアップロード可能

 Amazon Photosアプリでは、あらかじめ指定した端末内のフォルダを監視し、そこに追加されたファイルが自動アップロードされる。Amazonプライム会員の場合は、JPEG/PNG/BMP/TIFFなどの画像・写真ファイルが、解像度の制限なく無制限に保管できる(1ファイル2GB未満という制限はある)。一方、Amazonによって画像・写真とは判定されない動画やその他のファイルは、全てCloud Driveの契約容量を使って保管する形となっており、ここが(解像度と再生時間の制限はあるものの)動画の無制限保管にも対応するGoogle フォトとの違いとなっている。

 Amazon PhotosはPC/Mac OS用のエージェントアプリも用意され、PC内の指定したフォルダ内の写真、動画、文書ファイルも自動アップロード可能。こちらの場合も写真は無制限、それ以外はCloud Driveの契約容量内でアップロードできる。もちろん、スマートフォンからアップロードしたものと、PCなどからアップロードしたものは、アカウントが同じであれば同一のCloud Drive内にまとめて保管されるため、あらゆる端末の写真・動画をまとめて管理したい時にも活躍するだろう。

アップロード対象とするフォルダを指定
アップロードが自動的に行われる
自動アップロードする条件の設定も可能
PCのWebブラウザーでCloud Driveにアクセス。スマートフォンアプリとは異なるフォルダ単位でのファイル管理も行える

PSDやRAWファイルにも限定的ながら対応。検索性は課題アリ?

 Amazon Photosアプリは写真・動画のアップロード・閲覧専用のアプリとなっているため、PCなどからアップロードした音楽・文書ファイルは参照できない点は注意が必要だ。画像・写真についてはJPEG/PNG/BMP/TIFFに加え、Photoshop形式のPSDファイルやカメラメーカー各社のRAWフォーマット(ニコンのNEF、キヤノンのCR2、ソニーのARW)も無制限に保管できるが、TIFF/PSD/RAWファイルの閲覧やアップロードが可能なのはPCからのみ。本アプリ上ではTIFF/PSD/RAWファイルのアップロードや閲覧はできない。

 また、PC上のWebブラウザーからCloud Driveにアクセスして確認した限りでは、NEFファイルはアップロード後のサムネイル表示に対応するものの、プレビュー表示では粗い解像度の小さな画像が表示されるのみ。ソニーのARWファイルはプレビュー表示には対応せず、再ダウンロードだけが可能と、RAWファイルへの対応はやや限定的だ。

 本アプリのビューワーの機能としては、単純にファイルの日付順に写真や動画を一覧し、1つずつ閲覧していけるだけでなく、複数の画像を“アルバム”にまとめたり、スライドショーで表示していくことが可能。さらに、思い出の振り返りに便利な、過去の写真をピックアップする機能も備えている。クラウドストレージということで、他の人とのファイル共有も行える。ただし、ファイル名のキーワード検索のような機能はないため、ファイルを探す時は撮影日やアップロード日を頼りにするしかなく、検索性はさほど高くないと言えるだろう。

メニューを表示したところ。アプリ上で閲覧・アップロードできるのは写真(JPEG/PNG/BMP)と動画(MP4など)のみで、TIFF/PSD/RAWファイルは扱えない
複数の写真をアルバムに整理することもできる
スライドショーしているところ
1年~数年前の同じ日に撮影した写真や、過去の写真からランダムでピックアップして表示

日沼諭史