てっぱんアプリ!

「Microsoft Word/Excel/PowerPoint」でスマホ・タブレットが本格仕事マシンに!?

 スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!

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アプリ名: Microsoft Word/Excel/PowerPoint
開発者: Microsoft Corporation
価格: 無料
対応OS: iOS 7.1 以降、Android 4.4 以上
カテゴリ: 仕事

 アプリやクラウドサービスの充実で「仕事にも使える」と喧伝されてきたスマートフォン。でも、結局PCより限定された範囲での用途に収まってしまい、ビジネスの現場で本当の意味で使い物になるとは言い切れなかった。それは、オフィス文書の高度な編集ができなかったことが最大の理由かもしれない。しかし、マイクロソフトがリリースしたiOS・Androidタブレット向け「Word/Excel/PowerPoint」のおかげで、その状況に大きな変化が訪れている、のかもしれない。

スマホ・タブレット向けオフィスアプリのラインアップ

 最初に、Office文書の編集が可能なマイクロソフトのスマートフォン・タブレットアプリの状況を整理してみよう。

 まずAndroid向けには、スマートフォン用の「Microsoft Office Mobile」があり、この1つのアプリでPCなどで作成したWord/Excel/PowerPointのファイル閲覧とテキスト編集が行える。オフィス文書の新規作成やテキスト以外の編集はできないので、どちらかというと簡易ビューワーに近いアプリだ。

 それとは別に、Androidタブレット向けには、2014年11月に「Microsoft Word for Tablet」「Microsoft Excel for Tablet」「Microsoft PowerPoint for Tablet」という3つのアプリがリリースされた。こちらはPC版Officeソフトの機能をある程度網羅した内容となっている。

 一方iOS向けには、以前からiPhone/iPad対応の「Microsoft Word」「Microsoft Excel」「Microsoft PowerPoint」が提供されており、Androidタブレット版の登場に合わせ、それと同等の機能へとバージョンアップした。無料で利用でき、月額1200円の「Office 365 Solo」を導入することで、より高度なオプション機能が利用できるようになるのもAndroidタブレット版と同じだ。

「Microsoft Office Mobile」でPowerPointのファイルを開いたところ
iOS版「Microsoft PowerPoint」の編集画面

タブレット版・iOS版はPCソフトに匹敵する機能をもつ

 Androidタブレット版・iOS版の各3アプリは、多彩なテンプレートを使ったオフィス文書の新規作成のほか、既存ファイルのテキスト、画像、図形、コメントや変更履歴を含めた編集が可能になっている(一部機能は前述の通り有償オプション)。

 たとえばWordでは、ワープロソフトとしてテキスト編集でき、画像・図形・表の挿入と位置・サイズ調整なども全く問題なく行える。PCで作成したファイルも忠実に再現して表示し、編集可能だ。Excelについては、単純にセルにテキストや数値を入力できるだけでなく、表計算用の機能もきちんと用意。数値データから2次元・3次元グラフを生成するのも問題ない。

 また、PowerPointもテキスト、画像、図形の挿入、位置・サイズ変更、スライドの追加・削除が自由自在で、スライド再生にも対応。3アプリとも、端末のローカルファイルと、クラウドストレージのOneDriveおよびDropboxと連携したファイルの読み込み・保存が可能になっているのもポイントだ。

Androidタブレット版「Microsoft Word for Tablet」
テキスト編集だけでなく表や画像の位置・サイズ変更も自在
Androidタブレット版「Microsoft Excel」
数値計算やグラフ作成が可能
Androidタブレット版「Microsoft PowerPoint」
テキスト・図形の編集に加え、コメント参照にも対応

取り残されるAndroidスマートフォン版アプリ

 タッチパネル操作が中心になるスマートフォン・タブレット向けのアプリということで、PC版と大きくインターフェースは異なるものの、機能としてはすでにビジネス用途を十分カバーできる内容だ。PCで作成したファイルを読み込むと表示が崩れたり、逆にスマートフォン・タブレットで保存したファイルをPCで正しく読み込めない、といった問題も大幅に減っているようだ。

 残る課題はAndroidスマートフォンのみ。「Microsoft Office Mobile」は、すでに述べたようにテキスト編集というごく限られた機能しかなく、文書内の一部の図形が崩れるなどエンジンとしての完成度は低い。iPhone版と同等の機能を実現する新しいAndroidスマートフォン向けアプリの登場が待ち焦がれるところだ。

タブレット版とインターフェースは似ている「Microsoft Office Mobile」
しかし機能は少なく、一部図形の見栄えが変わってしまうなど、Androidスマートフォンでオフィス文書を扱うのにはまだまだ課題が多い

日沼諭史