ケンウッドのHD30GA9には驚いた

2006年4月21日 09:00

 ケンウッドのショールームへ行ってきた。某編集部の某編集者が拙者との打ち合わせの後、ケンウッドへ取材に行くというので編集者に寄生するカタチで付いて行ったのだが、ソコでいくつか衝撃を受けたりして。なお、もしかすると個人だと(取材とかじゃないと)入れない場所だったかもしれないので、誰でも下記のような機材に触れられるかどうかは知りませんが、悪しからず。

 で、主にカーオーディオとカーナビの取材のようだったが、まずひとつ、急激に欲しまってしまったのが、カーナビ(HDDタイプ)のHDV-770。OSとしてMicrosoft Windows Automotive 4.2を搭載したカーナビなんですけど、内容はフツーのカーナビ。しかし、そのインターフェースが非常に使いやすかった。タッチパネルのみでサクサクと各種機能を使えちゃった。もちろん初めて触れるナビだったが、タッチパネル式のナビでここまでスムーズに操作できた製品は初めてであった。

 ふぅ~んケンウッドのナビって使いやすいじゃぁ~んと思っていたら、iPodの接続デモを見せてもらえた。iPod対応ナビとかカーオーディオってまあ流行中なんで、それ自体は珍しくないが、HDV-770の場合は操作感がよくて高速であった。タッチパネルを操作した後の反応が良いので、操作時点で遅いという印象がない。また、他の機種のような(CDチェンジャー等用インターフェイスを使った)iPodインターフェイスとは違って、iPod内のファイル名等データを高速でナビが読む=リスト表示等も非常に速い。

 拙者とかiPodユーザーなんですけど、前述のタッチパネル(およびそのインターフェイス)の使いやすさと、このiPodとの連携性の良さでカーナビの買い換えを考えちゃったりした。が、ナビって使い始めると、ナビ内に登録地点等々の設定データがたまるし、またクルマに装着するんで交換の手間&交換費用もかかるゆえ、どうにか物欲を抑えることができた。

 あとこのナビ、音がかな~りイイのかもしれない。愛車には5.1chのスピーカーを載せ、音質等調整も比較的にシッカリしていると思うのだが、そのナビっつーかHDV-770に比較的に安価系のスピーカーをつないだセットから出ている音を聴いたら、ん~むむむ、2chでここまで鳴っているのは、HDV-770がイイのかウチのがイマイチなのか……とちょっとイヤな疑問が生じてしまった。

 音質と言えば、話のついでに見せてもらったポータブルオーディオプレーヤーのHD30GA9(←音が出るページなのでプチ注意してネ!!)。これには、かなり、強く、驚いた。

 HD30GA9体験の結末から言えば、全く同じMP3ファイルを再生しているのに、某林檎社製の大人気製品とHD30GA9では、まったく音が違うのである。明らかに違う。何ソレってほど違う。そのショールームにあるチョイと高級なスピーカーにつないでもらったりすると、イヤになっちゃうほど違うのである。

 説明ではSupreme(サプリーム)と呼ばれる独自技術(MP3等の圧縮音声で失われる高音部分を補間するもの)やプレーヤー本体の回路周辺技術によるものなンだそうだが、そういう細かいことはこの際どうでもよく、非常に非常に鋭く緻密だが乱暴でなくむしろエロティックな音が出てくる。ジャズギターやジャズドラムの(弱い)シンバル、そういう楽器特有の脳味噌ん中に染み込んでくるような高音の広がりが全然違った。わりあい短時間の聴取だったのでイマイチ細かいところまでは判断できなかったが、ソレっぽく言えば、空気感があるような自然な音だろうか? クラシックなんかを聴けばもっとよくわかったかも。

 ちなみに、各ポータブルオーディオプレイヤーでMP3/320kbpsで聞き比べた後、同じ曲をCDでも聴かせてもらったが、HD30GA9(MP3/320kbps)とCDの音質は、ん~どっちがどっちかナてなくらい近い気がした。高音域とかイコライザ的に持ち上げてるのかなぁと思ったが、実際の出音には、そういう印象っていうか違和感がなかった。よく聴いている曲を聴き比べないとわかんないかも……特に取材という特殊な雰囲気の中では判断つかないっす。ともあれ、なくなったハズのMP3の高音域を補間しちゃうSupremeって……と驚かされた。

 実はこの日の取材の目玉は、U717という1DINのカーオーディオ。U717はUSBフラッシュメモリ上のMP3を再生できるヘッドユニットであり、その製品についての説明が最も長かったような気がするが、衝撃度はHD30GA9が最強な感じであった。