スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

手ブレにチョ~強いビデオカメラの周辺機器×4品

手ブレにチョ~強いビデオカメラの周辺機器×4品

 最近非常に気に入っているソニーの「HDR-PJ790V」。手ブレにチョ~強いハンディカムであり、その手ブレ補正性能が撮れる動画の品位に直結してくれる。これまで撮れたことのない動画が多々撮れて、テンション高めの俺。

 いや~コレいいですわ~。わりと大雑把に撮っても手ブレをかな~り抑えてくれるので、だいたい「イイ感じの動画」になる。いや~ホントいいですわ~。

ソニーのデジタルHDビデオカメラレコーダー「HDR-PJ790V」。フルHD/60P対応のハンディカムで、強力な手ブレ補正機構「空間光学手ブレ補正」を備える
液晶ディスプレイ裏面に埋め込まれたプロジェクターも特徴的。30インチ程度のサイズで投影するなら十分キレイですな。カメラの実勢価格は10万円前後
「HDR-PJ790V」に搭載されている空間光学式手ブレ補正ユニット。カメラ使用中(撮影モード)では、レンズ部分がグリグリと生物的に動く。超サイバーっ!!

 気に入ってわりと頻繁に使っているので、いろいろな周辺機器にも手を出しがち。これまでけっこーイロイロ買ったんですけど、今回はそのうち4品についてレポートしてみたい。

 具体的には、「ADP-WL1M ワイヤレスアダプター」「GP-VPT1 三脚機能付きシューティンググリップ」「HVL-LEIR1 バッテリービデオIRライト」「RDP-CA3M ポータブルスピーカー」ですな。どれもなかなかイイ感じ。

「ADP-WL1M ワイヤレスアダプター」はマルチインターフェースシュー端子対応のWi-Fiアダプタ。ハンディカム「HDR-PJ790V」などをワイヤレス操作できたり、動画などをWi-Fiで転送できる
「HVL-LEIR1 バッテリービデオIRライト」はマルチインターフェースシュー端子対応のライト。白色と電球色のほかIR(赤外線)ライトとしても使える。光量は10~100%の間で無段階調節が可能
「GP-VPT1 三脚機能付きシューティンググリップ」は三脚にもなるグリップ。マルチ端子ケーブル搭載で、マルチ端子搭載のNEXやサイバーショットでも使える
「RDP-CA3M ポータブルスピーカー」はマルチインターフェースシュー端子対応のスピーカー。「HDR-PJ790V」からの音が非常に聞きやすくなる。電池は不要だ

 どれも、使うと快適さが向上したり、画質が向上したりして実用的。俺的には4品それぞれ満足して使っている。ともあれ以降、各周辺機器の機能や使用感について書いてみたい。

ハンディカムをWi-Fi対応にするアダプタ

 まずは「HDR-PJ790V」などをWi-Fi対応にしてしまう「ADP-WL1M ワイヤレスアダプター」。マルチインターフェースシュー端子に装着する小さなWi-Fiアダプタで、「HDR-PJ790V」で撮った動画などをPCに無線転送できたり、スマートフォンから「HDR-PJ790V」の操作ができたりする周辺機器だ。

「ADP-WL1M ワイヤレスアダプター」を使うと「HDR-PJ790V」などのハンディカムがWi-Fi対応になり、PCやスマートフォンと連係動作するようになる。非常に小さなアダプタで、質量は9g(実測値)

 このアダプタを買ったのは、撮った動画などをPCにWi-Fi転送したいから。たとえば「NEX-6」「DSC-RX100M2」などは、PlayMemories HOMEやPlayMemories Mobileといったソフトウェアと併用することで、カメラ上の画像をPCやスマートフォンに転送したり、カメラをスマートフォンで遠隔操作できたりする。

 で、「HDR-PJ790V」に「ADP-WL1M ワイヤレスアダプター」を装着すると、上記と同様のコトができるようになるのだ。俺的にはWi-Fiを使った「カメラからPCへの画像自動転送」が非常に便利だと感じており、その機能を「HDR-PJ790V」でも使うべく、「ADP-WL1M ワイヤレスアダプター」を購入したんですな。

 なお、「ADP-WL1M ワイヤレスアダプター」の機能詳細については、説明書(PDFです)がダウンロードできるので、そちらを。

 使ってみた結果、まずはPCへの動画(AVCHD/MPEG2/MP4)や静止画(JPEG)の転送がたいへんラクになった。「HDR-PJ790V」側の簡単な操作だけで、PCへ動画/静止画を自動転送してくれるからだ。ただ、大量のHD動画だとさすがに時間かかりますけどネ。でも、放っておけば転送終了してる感じなのでラクはラク。

 それから、スマートフォンやタブレットにWi-Fi経由で「HDR-PJ790V」の動画/静止画を転送することもできる。ただし転送できるのはMP4動画とJPEG静止画のみとなる。

スマートフォン用アプリ「PlayMemories Mobile」を使って「HDR-PJ790V」にアクセスしたところ。MP4動画とJPEG静止画に限られるが、スマートフォンやタブレットへ転送することができる。その後、動画や静止画をスマートフォン/タブレット上で再生したり、ネットに投稿したりできるわけですな。アプリはAndroid版とiOS版がある

 もうひとつ、スマートフォンやタブレットから、「HDR-PJ790V」を遠隔操作することもできる。「HDR-PJ790V」が撮っている絵がだいたいリアルタイムでスマートフォン/タブレット上に現れ、撮影を開始したり止めたりできる。ズームなんかもできますな。

「PlayMemories Mobile」アプリを使って「HDR-PJ790V」を遠隔操作している様子。左がAndroidスマートフォン、右がiPad miniですな。録画/録画停止、ズーム、静止画/動画モード切り替えが行える。画像の追従性は、若干タイムラグがあるが、まあまあ実用的な感じ

 個人的には、スマートフォン/タブレットへの動画/静止画転送や、あるいはスマートフォン/タブレットからの遠隔操作はほぼ使っていない。が、「ソレやりたい!!」という人には刺さる機能&使用感かもしれない。

 ……でもあれですね、こういう機能はあれば何だかんだで便利なので、ハンディカムに最初からWi-Fiアダプタ内蔵しておいて欲しいところですな。あ。ももも、もしかしたらこれから出る機種ではWi-Fi内蔵とか!? PlayMemories HOMEやPlayMemories Mobileといったアプリがなかなか手軽に使えるだけに、ハンディカムのWi-Fi内蔵にも非常に期待している俺なのであった。

さらに安定して撮れるようになるグリップ

 次に「GP-VPT1 三脚機能付きシューティンググリップ」。ハンディカムなどの下部(三脚ネジ穴)に取り付けられる、リモコン付きのグリップだ。ガングリップという感じですな。開くとミニ三脚としても機能する。

「GP-VPT1 三脚機能付きシューティンググリップ」は、ミニ三脚にもなるガングリップ。ハンディカムなどとマルチ端子で接続すればワイヤードリモコンとしても機能する
マルチ端子搭載ハンディカムなどとケーブル接続して使う。録画開始/停止、静止画撮影、ズームアップダウンをリモート操作できる。雲台部分は前後に180度近く回転する

 使ってみての印象は、ほかのグリップでもそうなんですけど、手首を自然な角度にして撮影できるので、よりいっそう安定した動画を撮れるようになる。空間光学式手ブレ補正の効果と相まって、非常にブレが少なく見やすい動画が撮れるようになる感じですな。

 またこのグリップの場合、三脚ネジ位置を前後に2センチ程度の範囲で動かせる。加えてグリップの角度をかなり自由に変えられる。ので、カメラの重心を「撮りやすい位置」「疲れにくい位置」に合わせられるので、非常に使いやすいと感じる。

 三脚機能も案外便利で、テーブルなどの上に置いてブレ無しで撮影したりするのにはかなり役立つ。ツイデな感じだが、このテのグリップを装着したときにアリガチな「グリップがあるからカメラを横倒しにして置くハメになる」という問題も、この三脚機能により解消できる。

 リモコン機能もフツーに便利ですな。グリップの角度によっては若干押しにくくなるが、この機能がないと両手でカメラを操作することになるので、やはりリモコン機能搭載は有り難い。

 難点としては、マルチ端子接続部からプラグが出っぱって邪魔とか、そこから伸びるケーブルが少々鬱陶しいとかいったことはある。が、わりと些細な問題かも。より安定した動画をラクに撮れるようになるので、「長時間撮りたい」「歩きながら撮りたい」という人にはかな~りオススメである。

よりキレイな動画を撮れる補助ライト

 それから「HVL-LEIR1 バッテリービデオIRライト」。LEDライトで、白色と電球色に色を変えられる。明るさは1500lux/50cmで、50cm程度先から最大照度で照らされると少々眩しい感じ。光量は10~100%の範囲で無段階調光できる。

LED式補助ライトの「HVL-LEIR1 バッテリービデオIRライト」。光源色は白だが、内蔵のパネルを下ろせば電球色に近い色になる。マルチインターフェースシューに取り付けられるが、普通一般のフラッシュ取り付け用のシューにも装着可能なので、汎用性がある
LED発光とIR(赤外線)発光を切り替えられる。10~100%の範囲での無段階調光に対応する。電源は単三形電池(アルカリ/ニッケル水素)×2本

 暗い場所の明るさを少し持ち上げるためにも使えるし、屋外では影が作るコントラストを抑えるのにも使える補助光ですな。コンパクトながらも調光や色変換などができ、電源が単三電池式という点と併せて実用的。非常にイイと思う。

 のだが、LED光なので、わりと多くのケースで「硬い光が当たる」というようなイメージになる。被写体に部分的な強い反射が生じがちなので、「あ、補助光当ててるな」という違和感が出ることが少なくない。また、LED光は目に眩しかったりもする。

 ので、「HVL-LEIR1 バッテリービデオIRライト」には自作のディフューザーを取り付けて使っている。発光部に薄い白色のポリプロピレン板を貼っただけっス。白のクリアファイルを切って折って両面テープでペタリと。

白のクリアファイルをカットして二重にし、両面テープで発光部に貼ってディフューザーとした。カバーを下ろして電球色にすることもできた
ディフューザーを付けた状態で撮影した動画(の1フレーム)。消灯時。かなり暗めの室内なんですな
弱めに照らした様子。外光と補助光が自然にバランスしていると思う
明るく照らした様子。キレイに撮れているが、猫にとっては眩しいかもしれない

 やっぱり補助光があるとイイですな。キレイに撮れるシチュエーションがグッと増す感じ。日差しの強い屋外でアレコレ撮るなら、この補助光を点けっぱなしというのも現実的だと思う。室内なら弱めに照らして使うと自然な感じを損なわずに良好な映像を得られると思う。てなわけで、「もうちょっとキレイに撮りたい」なら試す価値がある「HVL-LEIR1 バッテリービデオIRライト」ですな。

フツーに実用的なポータブルスピーカー

 最後に「RDP-CA3M ポータブルスピーカー」。マルチインターフェースシューに取り付けて使うポータブルスピーカーで、ハンディカムからの再生音をより大きく聞きやすいものとしてくれる。

「RDP-CA3M ポータブルスピーカー」。ハンディカムのマルチインターフェースシューに取り付ければ機能する。電池不要。出力2.5W。操作は音量の上げ下げのみ行える

 ハッキリ言ってビデオカメラ本体からの再生音って高音ばっかり目立って聞きづらいですな。このポータブルスピーカーを装着すると、そういう音の悪さを少々改善できる。

 カメラ本体からの音と比べると、このスピーカーを装着したときは、中音~低音がより多く聞こえて音のバランスが良くなり、聞き取りやすさが増すとともに臨場感も高まる。音質的には各段の違い。音が良くなる。

 2.5Wという最大音量も十分。ナニゲにスピーカー部のボタン操作で音量調節できるのも便利だ。液晶パネルを操作しての音量調節ってやりにくいですもんね。

 この「RDP-CA3M ポータブルスピーカー」は、とくに「HDR-PJ790V」のプロジェクター機能を使っているときに役立つ感じかも。とりあえず「まあまあ聞ける音」でプロジェクション、みたいな使い方ですな。

 でも、ぶっちゃけた話、なくてもいいかな、みたいな。ヘッドホン使えばこのスピーカーよりずっとイイ音になるし、もっと汎用性の高いポータブルスピーカーをヘッドホン端子につなぐという手もある。

 てな感じで見てきた周辺機器4品。目的や用途によって評価は人それぞれだと思うが、ご参考になれば幸いである。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。