スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」
手ブレにチョ~強いビデオカメラを購入♪ ソニー「HDR-PJ790V」
(2013/10/28 00:09)
手ブレにチョ~強いビデオカメラを購入♪
今さらながら、ソニーのデジタルHDビデオカメラレコーダー「HDR-PJ790V」を買った。そう、ビックリするほど手ブレを補正しまくり千代子歌謡ディナーショー的に原稿執筆中の脳に影響が出るくらいビックリするほど手ブレを補正しまくり千(以下繰り返し)。
なお、「今さら」というのは、このハンディカム、発売日が2013年 1月18日だからですな。ちなみに、2013年9月なかばに買ったが、ネット通販で9万6540円だった。
このビデオカメラを買ったきっかけは、キヤノンの「iVIS mini」を取材用として使ってみて便利だったから。「iVIS mini」はインタビュー取材のICレコーダー代わりに使ったんですけど、これが大正解。リンク先の記事の最後に書いたバッテリー保ちの問題はあるものの、それをクリアすれば「取材後に音と映像でインタビュー内容をチェックできる」のが非常に便利なのであった。
スゲくイイよ「iVIS mini」!! インタビュー取材以外にも幅広く使えるかも!! と思ったので、実際少々試して見た。が、「iVIS mini」には手ブレ補正機構がなく、手持ちでも撮れるは撮れるんだが、手ブレ多々の動画を資料として見るのはツラい。そこで「手ブレ補正が良く効く取材向けビデオカメラってあるかな?」と思って探したところ、この「HDR-PJ790V」に行き着いたというわけだ。
そして早速コレを取材に使ってみたんですけど、結果から言えば非常に満足できた。「使える」のであった。また、「ツイデにコレもできたらいいな」も叶い、嬉しい気分になっている俺である。
さておき以降、「HDR-PJ790V」の俺的使用目的&使用感などについてレポートしてみたい。なお、「HDR-PJ790V」の機能や画質など全般的なレビューとしては、小寺信良氏の「週刊 Electric Zooma! ビデオカメラの頂点に立つソニー HDR-PJ790V」に詳しくあるので、そちらをお読みいただければと思う。
取材用ビデオカメラとして選んだ「HDR-PJ790V」
まず、なぜ「HDR-PJ790V」を選んだのか、から。
主な目的は、取材での動画メモ撮影。後で資料として見るための動画を撮るので、フルHD(1920×1080ピクセル)/60Pで撮れるカメラがいいな、と。また、なるべく強力な手ブレ補正機構を備えていることが望ましい。
ブレが十分少ないフルHD/60P動画なら、1フレームを書き出しても「写っている文字などがまずまず認識できるレベル」になると考えたんですな。また、1920×1080ピクセルでまずまず精細感のある静止画なら、レタッチ&縮小すればウェブ媒体掲載用写真としても使えるであろーとも考えた。
そして細かいコトを省いて結論から言えば、選択肢としてはソニーの「空間光学手ブレ補正」搭載ビデオカメラだけが残った。ので、一瞬、NXCAMカムコーダー「HXR-NX30J」を衝動買いしそうになったが、取材メモ用に業務用ビデオカメラはヤリ過ぎ。
で、冷静になって調べたところ、民生向け「空間光学手ブレ補正」搭載ビデオカメラは4機種あった。まず、本体にプロジェクターを内蔵したPJシリーズに2機種あり、「HDR-PJ790V」(12万4800円)と「HDR-PJ630V」(7万8800円)。それと、ベーシックなビデオカメラのCXシリーズに2機種あり、「HDR-CX630V」(7万1800円)と「HDR-CX430V」(4万9800円)。ちなみに“( )”内はメーカー価格。実勢価格はもっと安いっス。
これら4機種の違いは、「ハンディカム比較表」の比較項目「手ブレ補正」で「空間光学式」をチェックすれば容易に比較できる。しかしまあ「空間光学手ブレ補正」で実勢価格4万円前後の「HDR-CX430V」は非常にお手頃ですのう。普段使いに買おうかナ。
さておき、この4機種からの絞り込みはすぐ済んだ。まず「どうせ新しいビデオカメラ買うなら、プロジェクター付きがおもしろそうじゃん」的な。また、取材時の動画メモは音声品質の高さもかなり重要なので、外部マイクによりイイ音が録れるらしい機種ってコトで、アッサリと「HDR-PJ790V」になった。
なお、動画撮影時の広角側レンズ画角(焦点距離)は、35mm換算で「HDR-PJ790V」が26mm、ほかの3機種が26.8mmとなる。僅かな違いはあるが、26mmでも26.8mmでも取材用ビデオカメラとしては十分に実用的だと思う。対象にやや近い立ち位置でも、対象を含めた風景を幅広く撮れるからだ。
ちなみに、これら4機種はどれも「空間光学手ブレ補正」搭載だが、空間光学手ブレ補正ユニット自体については「HDR-PJ790V」のみ従来品と同じサイズ。「HDR-PJ630V」や「HDR-CX630V」には従来ユニット比で20%小型化されたものが、「HDR-CX430V」には40%小型化されたものが搭載されているそうだ。
余談だが、小型化された空間光学式手ブレ補正ユニットのほう、もしかして小型ユニットだから手ブレ補正性能低かったりする? とか思ったので軽く調べてみた。
ネットの検証動画や評判などを調べた程度ではあるんですけど、「従来のユニットも小型化されたユニットも十分な手ブレ補正性能を発揮している」というような印象となった。
取材メモ用途にバッチリ使えた「HDR-PJ790V」
この「HDR-PJ790V」を購入後、まず試してみたかったのが取材時の撮影。動画メモ撮影ですな。
たとえばイベントなどを取材する場合、会場の雰囲気や展示物、それから講演などの様子など、いろいろ「取材ネタ」がある。記事作成に合わせて、これらのネタを拾っていく。
のだが、取材を行う人数が少ないと、それら全てをカバーするのは無理ですな。全部カバーすべきってケースは希だったりするが、やはりネタは多い方がいいので、幅広くカバーしていく必要はある。ともあれ、デジカメやICレコーダーでメモ的に残すにしても、取材対象を幅広くカバーするのはいろいろタイヘン。
でも、「HDR-PJ790V」を使って大雑把に撮り歩くことで、ひとりで取材に行ってもけっこーカバーできるかも、と。手ブレ補正が強力なので、メモとしての動画も見やすいだろうし、動画をポーズするなり1フレーム書き出すなりして、展示物等々の文字など細部を確認することもできそう。そう考えて実際に取材で使ってみた。
結果から言えば、ヒッジョーに良好。スーパーコンピュータ「京」を見られるイベント「平成25年度 神戸医療産業都市・京コンピュータ一般公開」の取材に使ってみたが、「HDR-PJ790V」の動画メモの実用性を知った。「あ~今後はビデオカメラでどんどん動画メモしよっと」と思った。
以下に、「HDR-PJ790V」で撮った動画メモの全体イメージと、その等倍切り出し画像を掲載する。画像の左が動画の1フレームを切り出して横幅800ドットにリサイズしたもの。画像の左はその画像をドットバイドットの状態でトリミングしたものですな。
やはり「HDR-PJ790V」の手ブレ補正性能の良さですな。必要に応じてカメラを持つ手を止めれば、まあだいたいほぼ静止した動画を撮れる。上の写真は60Pで撮影した動画から1フレームを書き出した静止画だが、手ブレが非常に少ないので、細部もけっこーしっかり視認できる。
また、「HDR-PJ790V」は音もシッカリ録れる。まあ上記のようなイベント会場だとうるさいほどだが、それでも展示などを解説するスタッフの声が明瞭に録れると、後の確認を容易に行える。
以前にもビデオカメラで取材メモを取ったことはあるが、ハッキリ言ってイマイチな結果となった。ハイビジョン画質で手ブレ補正機構搭載のカメラでも、「空間光学手ブレ補正」ほどは手ブレを抑えられなかった。ので、動画メモが見づらく、見ていて疲れるし不快。動画の多くのシーンがやっぱりある程度ブレてしまうので、上の写真のような静止画書き出しも現実的ではなかった。まあ音は悪くなかったんですけどネ。
てな感じで、取材用途にバッチリ使えた「HDR-PJ790V」。う~むむむ、知らない間にビデオカメラのツール性が高まっていてビックリ。
NHK「世界ふれあい街歩き」的なコトしたい~
もうひとつ「HDR-PJ790V」でやってみたいコトがあった。ステディカムで世界の街を撮り歩いて放送コンテンツとしている「世界ふれあい街歩き」(NHK)って知ってます? あーゆーのを手軽に撮れないかな~、と。
もちろん放送クオリティは無理だとしても、「HDR-PJ790V」の手ブレ補正性能があれば、アレのまねごとができないか、と。そんなような、手ブレが少なくてまずまず観られるような「歩きながら動画」が撮れれば、パーソナルなビデオ撮影の価値がまた変わるんじゃねーのかなぁいや変わるハズ!! とか思って試してみた。
これまた静止画切り出しですけど。歩きながらでもこんなふうな絵が撮れるというご参考までに。画像はもとの動画から1フレームを書き出しただけでレタッチなどの処理はしてません~。でもプライバシー保護のため顔は消してあります~。
なかなかイイ!! 個人で観て楽しむなら十分!! みたいなイイ感じのクオリティで「歩きながら撮影」ができるのであった。また、この「HDR-PJ790V」はプロジェクター内蔵。帰ったらすぐ、ビデオカメラから映像を壁とかに投影して楽しめるのである。
いや、帰らなくても、喫茶店とかに入って、壁に小さく動画を投影することもできる。まあ、「HDR-PJ790V」の液晶モニターで見たほうがキレイではあるが、手軽に壁や天井や紙に動画を投影できるのは愉快ですな。
ちなみに、俺的印象では、投影サイズは40インチくらいまでが「まあまあキレイ」と思える限度かも。30インチくらいだと「うそ、内蔵プロジェクターでもこんなキレイに出るんだ」的に少々喜べる。20インチくらいだと環境があまり暗くなくても、十分キレイな投影を楽しめる感じ。
あと、本末転倒的な言い方だが、普段使いにも非常にイイですな、「HDR-PJ790V」。気合入れなくても手ブレが非常に少ない動画を残せるから。スナップ写真的に、キレイな動画を手軽に残せる。
てなわけで、取材にもバッチリ使えるし、歩きながらの撮影を手軽に楽しめるし、当然だが日常的に活用できる「HDR-PJ790V」。目下非常に気に入っております。動画撮る気満々であります。ともあれ、何よりやっぱりスゴいのが「空間光学手ブレ補正」。その動作の様子も凄いので、ぜひ実機で「レンズがグリグリ動き回って手ブレを補正する様子」を見てみてほしい。