みんなのケータイ
株取引、はじめました
【iPhone 6s】
白根雅彦
(2016/2/8 06:00)
最近、株取引を始めた。昨年、日本郵政グループのIPOが当選したのがきっかけだ。今では楽天証券に口座を開設し、日本郵政以外の株の売り買いもしている。
しかし、年初の暴落では大変な目に遭った。ちょうど第2週はラスベガスで一日中CES取材だったため、株価の変動に対処できず、株式資産が大きく目減りしてしまったのだ。
これまでは投資信託を中心に資産運用していたので、こまめな価格チェックをする習慣がなかった(投資信託は毎日1回しか価格が変わらない)。だが、株は取引時間中、秒単位で取引価格が変わっていく。
そこで、年明けの暴落に対応できなかった反省から、スマホやタブレットでの常時、株価をチェックしたり売買できる体制を整えることにした。
ネット証券に口座を持つと、ネット証券会社が提供する高機能な株取引アプリが使えるようになる。筆者が使っている楽天証券は、iPhone/iPad/Android向けに「iSPEED」というアプリを提供している。
「iSPEED」はiPhone/iPad版ともにそこそこ最適化が進んでいて、Touch IDでワンタッチ起動できたりする。出先でも株価を確認したいので、セキュリティを確保しつつ、パスコード入力不要で起動できるというのは、非常に重要な機能だ。
iPhone版にはアラート機能もある。これは任意の指数・株価がいくら以上/以下、あるいは前日比で何%上がった/下がったときに通知するというもの。その銘柄に関する新着ニュースを通知する機能もある。常に携帯するスマホや通知対応のウェアラブルデバイスと相性の良い機能だ。
iSPEEDはApple Watchにも対応していて、指定した指数・株価を表示できる。一方、Apple Watchにはアップル標準の株価アプリもあり、文字盤の情報(コンプリケーション)としても設定できるので、こちらも併用しているが、標準アプリだと参照できる指数が違ったり、リアルタイム性が低かったりするので注意が必要だ。
もちろんiSPEEDで株の売買もできる。通常の指し値や成行での注文、売買板での価格入力に加え、iPhone版には2タップで売買する「エクスプレス注文」というモードもある。いずれも保存しない限りパスコード入力が必要だが、好きなタイミングですぐに売り買いできる。
iOS版は最短でも5秒おきの自動更新にしか対応していないが、そもそも通信遅延が不安定なモバイル環境で、パソコン版のように毎秒更新する意味はあまりないので、この仕様は妥当なところだろう。ただし、エクスプレス注文時の画面では、より短いサイクルで最新価格を確認できる。秒単位で変動する価格や売り/買い気配を見ながら売買タイミングを見計らうのは、なかなかドキドキする体験だ。
「iSPEED」はiPhone 6/6 PlusやiPad Proの解像度に対応しないため、機種によってはUIがやや大きくなり、高解像度を活かしたチャート表示もできない。しかし縦横どちらでも最適化した表示ができるので、情報はけっこう確認しやすい。とくにiPad版は4つのチャートの同時表示や複数ペイン表示など、パソコンに近い使い方も可能だ。
ちなみに楽天証券は、ネット証券としては珍しく、Mac版アプリも提供している。Macユーザーの筆者としては、ここが楽天証券を選んだ最大のポイントだったりもする。仕事柄、自宅のデスクに貼り付いている時間が長いので、そこで株価チェックと売買するならば、やはりパソコンの方が簡単だし、毎秒更新でよりリアルタイム性の高い価格を確認できる。
日銀がマイナス金利を導入し、預金の金利はもはやないも同然だ。インフレも考えれば、預けているだけで損をするとも言える。株には損をするリスクも大きく、実際、筆者も短期的には損をしたことも少なくない。しかし、昨今の株式相場にはお買い得感もあるので、底値を探りつつ、無理ない範囲で株取引を楽しんでいきたいと思ってる。